ジャングルの中の至る所にトゲトゲのヤシがある。その名をトゥクマン。
トゥクマンの節には5センチもの黒い棘が生えている。この棘は刺さると本当に痛い。
住宅街の資産家の家の塀によくガラスが埋め込まれているが、まさにあんな感じ。何もそこまで人を嫌うことないじゃないかというぐらい怨念が溢れている。本当に感じの悪いヤシなのだ。このヤシとは関わり合いにならない方がいい。話してもわからない奴である。
アマゾンの危険生物と言えば誰もが知ってるピラニア・ナッテリー。
ピラニア・ナッテリーは見るからに見た目が悪い。
「なんか、文句あんのかよ!」という感じで顎を張り出しと最初からケンカを売ってくる。オレンジ色に金粉のギラギラの胴体はまるでヤクザだ。アマゾンには30種類以上のピラニア・ナッテリーが棲んでいるという。このごろつきどもが、隙あらば因縁をつけようとウロウロしてるのだ。
僕とさかなクンがはピラニア・ナッテリー釣りにチャレンジした。ピラニア・ナッテリー釣りの方法はちょっと変わっている。浮草のたくさんある所に行って浮草をどかしてスペースを作り、竿でバシャバシャ水面を叩くのだ。
日本でこんなことしたら魚はみんな逃げてしまうが、ピラニア・ナッテリーは違うのだ。
「なんだなんだ、喧嘩なら俺の出番だぜっ!」と集まってくるのだ。
このごろつきどもの目の前に肉片をポロンと落とせばあっさりガブリと噛みついてくる。喧嘩っ早いのが仇となっているピラニア・ナッテリーである。
※次回は、アマゾン流クッキングについて紹介したいと思う。
本田亮
元・電通クリエーティブ局専任局長。2011年に独立し現在はフリーランスの作家、アーティスト。在職中からサラリーマンと執筆活動の2足のワラジを履いて、都会と自然の中で轟沈を繰り返してきた。サラリーマン転覆隊の隊長を27年間続けている。