マウンテンバイクで遊んでみませんか?
降雪や霜の影響で、冬の間クローズしていた山間部のマウンテンバイクパークが、3~5月にかけて今シーズンの営業をスタートする。各地のパークに先駆け、3月1日に2020シーズンを開始したのが、愛知県豊田市にある26ismあさぎりトレイルだ。三河高原キャンプ村内にある常設コースで、今シーズンで10年目を迎える。
里山の中にある自然の起伏を利用して、縦横無尽にマウンテンバイク専用のトレイルが作られている。道幅は1mほど。シングルトラックと呼ばれる道幅が狭いトレイルゆえ、軽快なハンドリングやコース取りを考え攻略する楽しみがある。
スキー場を使ったダウンヒル系のパークとは違い、リフトやゴンドラで頂上まで送迎するサービスはない。自分で上り、自分で下るクロスカントリースタイル。とはいっても高低差は30mほど。運動不足の初心者でも安心して走れるレベルだ。
受付を済ませたらいよいよトレイルへ
コースを利用する際は、キャンプ場受付で入場料を支払い、走行許可証となるゼッケンプレートを借りる。もちろんレンタルバイクを利用するのもあり。受付を済ませ、ヘルメットをかぶり、グローブを付けたらいざコースへ。
シーズン初日のためか、トレイルはきれいに整備されていた。雨上がりで、若干、緩い路面ではあったが、サスペンションがない自分のマウンテンバイクでも気持ちよく走れる。繰り返し現われる小さなコーナーをリズムよくこなす。時折、出現する滑りやすいむき出しになった木の根をかわす。少し下っては、少し上る。変化に富んだ小気味よいコースだ。植林された杉や松の間から木漏れ日が差しこみ、森林浴感も満点。そして、自転車を止めると、鳥の声以外なにも聞こえない静寂が訪れる。森にいる心地よさを実感。
安心して走れる整備されたコースに裏方あり
コース上部に行くと、今シーズンから新しく登場するパンプトラック(小さなデコボコが連続して作られたトレーニングコース)があり、そこで26ismのスタッフが整備をしていた。コース管理者のひとり、武藤貴彦さんが、コースについて説明してくれた。
「東海エリアには、いくつものマウンテンバイクパークがあって、それぞれに特徴があるんです。このパークは、人気のキャンプ場に隣接していることもあり、ふらっと来た人がレンタルを利用して気軽にマウンテンバイクを体験できるよう、難易度を下げています。今は、お子様連れの家族が安心して楽しめるよう、このパンプトラックを増設しているところです。土が粘土質なんで固まるまでに時間がかかります。水たまりができたら、それをつぶし、そんな作業を繰り返して、ゆっくりと完成させていきます。ほかのトレイルは、しっかりと固まっていますので、楽しく走ってくださいね」。
変化に富んだコースを満喫しよう
週に2回はマウンテンバイクに乗るという武藤さん。コースを案内してもらいつつ、ライディングしてもらう。
パンプトラックの近くには、2×4の木材を敷き詰めたラダーと呼ばれるテクニカルなゾーンがある。「視覚的に難しく見えますが、ゆっくりと走れば誰でも、このスリルを体験できます」と武藤さんは、ラダーをスイスイとクリアしてみせた。「このエリアの裏側にある連続する下りのカーブも楽しいですよ」と話し、またまたスイスイと楽しそうに下った。
「最近では、20代の方の利用が増えています。その世代の親が昔、マウンテンバイクにハマっていて、その影響もあるみたいですね。もちろん、場所がらキャンプに来たついでに、マウンテンバイクを楽しむ方も多いですよ」。
この日も、キャンプ場利用のカップルと親子がいたり、お母さんに送ってもらったという地元の中高生が遊んでいたり、いい感じに利用されていることがわかった。
食堂でいただける五平餅が美味い
そして、このパークの便利なところは、キャンプ場受付にある食堂を利用できること。定食やうどんのほか、ローカルソールフードである五平餅まで食べられる。五平餅は、注文を受けてから焼いてくれるため、アツアツで美味い。味噌の中に、うっすらと広がる山椒の香りがまた良い。しかもすごいボリューム。これで400円は素晴らしい。
じつは東海地方では有名なキャンプ場でした
キャンプ場の代表を務める川合成幸さんに話を聞いてみた。
「最近はキャンプブームで、ソロの方もいれば、大型テントを利用しておしゃれなサイトを作る方も増えていますね。ソロの方には、静かなウォークインサイト(A区)が人気で、今どきのおしゃれキャンパーには、Free Wi-Fiが使えるグリーン区が好まれます。長いこと経営していますが、冬の間もこれほどお客様が入ったことはなかったです」
川合さんが話すとおり、グリーン区には大型テントが並び、デイキャンプ利用の方も続々やってくる。そして、ルアー&フライ専用の釣場にもたくさんの人が。もちろんマウンテンバイクエリアも昼過ぎには、にぎわっていた。
名古屋市内からは自動車で1時間ちょっと。豊田市やお隣の静岡県浜松あたりからのアクセスも良いため、圧倒的に近隣に暮らす方の利用が多いそうだ。空の抜けた牧場、そして、森の中に張り巡らされたマウンテンバイクトレイル。気軽にアクセスできて、しかも様々なアクティビティを楽しめるキャンプ場として、じつは東海エリアでは知られた存在らしい。全国の皆様も、ぜひ、遊びに行ってみよう。
施設情報
三河高原キャンプ村
愛知県豊田市東大林町半ノ木2番地
電話 0565-90-3530
http://www.mikawakougen.com/
26ism あさぎりトレイル
(三河高原キャンプ村内常設コース)
営業期間:3月1日~12月15日
定休日:木曜(5、7、8、11月は無休)
営業時間:9時~16時30分(受付は15時30分まで)
料金:一日 大人1000円、子供500円
レンタル料金:2時間 大人2000円、小学生以下1000円 ヘルメット付き
https://www.26ism.com/