アウトドアシティえびの サイクリングレポートその4「川内川(せんだいがわ)ルート」
宮崎県えびの市は、北に九州山地、南に霧島連山がそびえる自然豊かなところ。今回は、その山々の間を流れる川内川に沿って走り、歴史ある石造りの橋や青く澄んだ湧水池などを巡ってきました。
えびの市の中心を東西に流れる川内川(せんだいがわ)。堤防の上には自転車歩行者専用道路が整備されており、ここを走れば快適なサイクリングが楽しめます。
今回のサイクリングは、「道の駅えびの」をベースに川内川を東に向かってめがね橋を目指します。昼食をはさんで、帰りは美しい水が湧き出る陣の池(じんのいけ)などを経由して戻るルートをご紹介します。
アウトドアステーションえびの

えびの市のアウトドア情報拠点、アウトドアステーションえびの。えびのサイクリングガイドマップもここで入手可能だ。レンタサイクルのサービスもはじまったので、まずはここに立ち寄ろう。

「アウトドアステーションえびの」では、イーバイクとクロスバイクのレンタルサービスもある。
スタートは「道の駅えびの」の敷地内にある「アウトドアステーションえびの」。えびので楽しめるアウトドアアクティビティの情報発信を行なっている施設で、遊びの拠点になる便利なスポットです。そこから川内川の自転車歩行者専用道路に入り、上流へ向かいます。人通りがほとんどなく、平坦なのでのんびりとしたサイクリングが楽しめるはずです。
川内川は九州山地の白髭岳(しらがだけ)を源流とし、熊本、宮崎、鹿児島の三県を貫いて東シナ海へと注ぐ一級河川。えびのの盆地を優雅に蛇行するその姿はなかなかのもの。この川の水は周辺の田んぼへも引かれています。えびので美味しいお米ができる理由のひとつです。
黒石桶門
前田という地区にある水門「黒石桶門」には、おなじみ「田の神さぁ」が二体描かれているので、ぜひ記念に写真を撮っておきましょう。
めがね橋
そこから3kmほど川内川沿いを行き、途中から看板に従って走ると、山間に石造りの大きな橋が。これが「めがね橋」です! もともと木材搬出用のトロッコを通すために昭和3年に竣工した三連アーチ橋で、現在は歩行者しか通行できないようになっています。
巨大な石を積み重ねて造られたその姿は重厚感抜群。せっかくなので橋の上も歩いてみましたが、幅が狭く欄干も低いのでなかなかスリリングですよ。

昭和3年に竣工された石造りの三連アーチ橋。全長58.2m、標高17.2mの立派なもので、木材で造られた基礎に50㎝角の石材を積み重ねてある。正式名称は「月の木川橋」。国登録有形文化財。
cafe PePe
「めがね橋」を見学した後は、そこから3kmほどの距離にある「cafe PePe」で本格スパイスカレーのランチ。スパイスの芳醇な香りもさることながら、見た目も美しく、大いに食欲をそそられます。手作りマフィンはテイクアウトも可能です。
HANNAH
「cafe PePe」の向かいにオープンしたギャラリー&カフェ「HANNAH」。馬小屋を改装したお店の中は華やかなアート作品が。

名物おしりパンが美味しい。
陣の池
お腹を満たしたら、「陣の池」がある田代地区へ。池に近づくと、水路と森にはさまれた道を進みます。距離は短いけれど、走っていてとても気持ちのいいルートです。
先には青く澄んだ湧水をたたえるふたつの池が現われます。どちらも水底が見えるほど水の透明度が高いですが、とくに美しいのは奥にある小池。周囲の木々が鏡のように水面に映り込んだ幻想的な景観を見ることができます。

澄んだ水をたたえる湧水池。戦国武将が池の近くに陣を構えたことがその名の由来だという。小池(写真下)と大池(写真上)がある。
金松法然
帰路にぜひ立ち寄りたいのが「金松法然(かねまつほうぜん)」。ここは大の焼酎好きだったという僧侶、金松法然を祀った墓地です。約230年前、えびのの地に住み、多くの村人を助けたとして、今も多くの参拝客が訪れています。
お供え物はもちろん焼酎。近くの売店などで、お線香と焼酎が一緒になった参拝セットを購入してから訪れましょう。

栗下地区に住み、焼酎好きの大酒飲みだった僧侶、金松法然が祀られている。「焼酎を供えてひとつだけ願をかけなさい」と言い残してこの世を去ったとか。
雄大な山々と美しい水、それらが育む温泉と美味しいお米。自転車でえびのを巡ると、その素晴らしさをより深く楽しむことができるはず。サイクリストの皆さんのえびの市へのお越しをお待ちしています!
※構成/佐藤旅宇 撮影/岩崎竜太 モデル/Reina 車両協力/ジャイアント