ソロキャンプの小さな拠点となるのがテント。焚火を終えてほろ酔いのままテントに潜り込んだら、外を歩く野生動物の足跡に耳を澄ませてみる。この時間は、幼い頃の秘密基地に近い興奮がそのままフラッシュバックするかのような幸せな時間が待っています。昨今実に様々なテントがお店には並んでいるけど、実際どんなテントにするべきなのか…?答えは「なんでもいい!」だ。なんでもいいけど、こだわりたいのがテント。今回は、テントのスタイルを簡単に紐解いてみたい。
テントの魅力
テントの魅力は宿泊コストが安いのもあるが、なんと言っても自分が見たい景色、泊まりたい場所で寝られることだろう。朝起きてテントのジッパーを開けたときにテントの入り口越しに目の前に広がる景色は、自分だけのものなのだ。そして布一枚という極薄の壁の向こう側は自然だけ。自然の中に溶け込んだ時間を送れるのも大きな魅力だ。
テントの構造
テントの構造は様々だけど、大きく分けると「自立型」「非自立型」「空中型」の3つがある。キャンプ場をメインにソロキャンプを楽しむ場合は、基本的には好きなタイプを選んで全く問題ない。もちろんそれぞれにいい部分、悪い部分があるけど、その悪い部分は”楽しい部分”にもなってくれるはず。
1:自立型
オーソドックスなのが自立型のテント。テントが飛ばないように地面と繋げるペグ(杭)を打ち付けなくても自立して立っているテントのことで、ポール2本から立てられる物がある。自立型テントは、ポール2本をクロスさせて立てるのが基本となり、強度を上げたり頭上の空間を広くするためなど様々な意図を持ってポールの増減、交差位置の変更などの工夫がされている。自立型の代表的なポール配置は次の通り。
2:非自立型
いわゆるワンポールテントとか、ティピー型とか言われるテントの一種がこの部類に入る。メリットは少ないポール数で最大の空間面積を出せたり、軽くなることで、選ぶ理由としては十分だ。ただし、テントを地面に固定しないと立たないタイプで、一度設営をしたらちょっと場所が気に入らないなと思ってももう一度設営するのが面倒なのがネガティブポイントだ。非自立型の代表的なポール配置は次の通り。
3:空中型
空中に浮いた寝床。ハンモックを主としたテント達で、立木または立木の代わりがあれば、地面がどれだけデコボコやドロドロでも、快適な寝床が得られるのが特徴。床面積はほとんど無いものの、タープと併用して設営することが多いので雨を気にせずハンモックをソファー代わりにゆらゆらと過ごすことができる。
未使用時と収納時の大きさと重さ
ソロキャンプ用のテントといっても、4人用のテントで広々寝たい、小さいテントで”押し入れの中感”を味わいたいなど自由に考えればいいし、最新型でも、旧型でも、クラッシックスタイルを楽しんでもなんでもいい。ただし、未使用時のテントとポール、収納の大きさと重さだけは把握しておこう。とくに次の3つの視点で見ると重要になってくる。
1:移動手段は?
車、オートバイ、徒歩/公共の交通機関など、キャンプをする際の移動手段は何か?を想定すると選び方が大きく変わる。考え方は次の通りだ。
①車の移動
荷室に入ればどれだけ大きくても重くても問題無し。
②オートバイ
積載サイズには限りがあるのでコンパクトな方がいいが、重さはあまり気にしなくてもよい。
③徒歩/公共の交通機関
基本はバックパックに全てを詰め込んで移動することになるので、できるだけ軽くて小さい方がいい。
2:自宅の収納場所は?
収納場所は、人それぞれの事情によって大きく変わるはず。スペースが広ければ大きくてもいいし、収納スペースが小さければできるだけコンパクトな方がいい。また、アパート、マンションの入り口や玄関から収納スペースまでが少し離れている、また階が違う場合は断然軽い方がいいという事になる。
3:メンテナンスの場所は?
キャンプ終わりにキャンプ場でしっかりとテントが干せればいいのだけど、撤収の日が雨だったりするとテントが湿った状態で持ち帰ることになる…。テントを長持ちさせるには”完全乾燥”がマストになるが、今のご時世、干す場所の問題が生じてくる。近所に干せる場所があったり、広いベランダや庭があればどれだけ大きなテントでもいいが、小さなベランダや部屋で干すとなると、テントサイズは小さいに越したことはない。僕も小さな家であらゆる隙間を活用して大きなテントを何度もかけ方を変えて干して苦労した思い出がある。
色や素材、形、価格、様々な選択方法があるけど、以上のことを踏まえておけば自分だけのテントがきっと見つかるはず。もらうにしても、買うにしても、まずはテントがないと始まらない!外の雑音は捨てて、フィーリングでテントを選び、自然豊かなフィールドに出かけていってください。