『iPhone 7』を購入してから、ちょうど3年になります。
そろそろ買い替えようかな……なんて思いつつも、特に「買い換えなきゃ!」という理由も『iPhone 7』には見つかりません。処理能力の速さや持った時のサイズなど、特段の不満もないのです。
唯一、昨今の向上いちじるしいカメラ機能を考えると、そろそろ新しいスマートフォンに買い換えたいかも……とは思います。スマートフォンを買い換えるというよりも、カメラを買い換えたいということですね。
そんな煮え切らない筆者のもとに、「『Shiftcam(シフトカム)』を使ってみてほしい」との依頼が、編集部から届きました。
『ShiftCam(シフトカム) 3-in-1 Travel Set Bundle iPhone 7/8』は、外付けカメラレンズを取り付けられるiPhoneケースです。まずは一般的なケースと同様に『iPhone』本体に付けます。そしてレンズ部分を、ケースに取り付ければOKです。
これで、レンズ部分をスライドさせるだけで、通常よりも「広角/超広角(魚眼)/接写」で撮影できるようになります。
こうした外付けレンズには、クリップで固定するタイプのもの(通称:クリップレンズ)がありますが、スマートフォンのレンズと頃合いよく固定するのが難しく、「なんかうまくフィットしないなぁ」っていうことが多いです。
『ShiftCam』の場合は、そうした心配がなく、カチッカチッカチッとレンズ部分をスライドさせるだけで、それぞれのレンズを切り換えて撮影できます。そのため、「いますぐ広角で撮りたい!」と思ったら、すぐに広角で撮れます。(クリップレンズの場合は、取り付けてからの調整に時間がかかり、精神的にじわじわとダメージを受けて、結局使わなくなってしまいます)
ということで、『ShiftCam』の主なメリットは、「広角/超広角(魚眼)/接写」をストレスなく切り換えて撮影できる点にあります。
魚眼も接写も思いのまま!
シフトカム自体の説明は、それくらいにしておきましょう。気になるのは、どんな写真が撮れるのか? ですね。
画質については、『ShiftCam』を使わない方がキレイです。『ShiftCam』の広角レンズでは、画質劣化がそれほど目立ちませんが、さすがに超広角(魚眼)レンズでは四隅の描写がボヤケてしまいます。
とはいえ、写真の画角、テイストのバリエーションを増やせる楽しさを考えれば、この程度の画質劣化には目をつぶりたいところです。
顕微鏡のようなマクロ撮影が可能
広角/超広角(魚眼)のほかに接写レンズにも切り換え可能です。結論を言えば、草木の撮影を趣味とする筆者には、この接写レンズの存在が、シフトカムの価値をググっと引き上げました。
まずは春の野花の代表格、オオイヌノフグリを撮ってみました。まだ花が完全に開いていませんが、細部の精細感は失われていませんし、花びらのルリ色もよく表現されています。
ただ、被写界深度がものすごく浅く、ピントを合わせるのに苦労しました。個人的には、もう少し被写界深度が深いと嬉しいのですが……。とはいえ、ピントが合っている範囲については、描写も良好です。
接写レンズだけでも買う価値あり!
前述のとおり、超広角や接写レンズなどは、クリップレンズであれば数千円で購入できます。ただ、使ってみれば分かりますが、セッティングの調整が非常にセンシティブです。「撮りたい!」と思ったときに、即座に撮るのには、かなりセッティングに熟練する必要があります。
その点、『ShiftCam』は、誰でも簡単にレンズを変えて撮影できます。
どれだけの人がいるか知りませんが、特に筆者のように小さな野花などを撮りたいユーザーには、接写レンズだけでも買う価値は十分にあります。
もちろん、野花だけでなく、昆虫を接写で撮りたいとか、超広角で撮ってみたいという方にもオススメです。てんとう虫が草から飛び立つ姿も、詳細までしっかりと撮れましたよ。
マクロの自然を手軽に撮るには、必須のレンズ/カバーと言えるでしょう。
ちなみに「7」以外のiPhoneに対応するシフトカムも用意されています。試してみるといいですよ。
SPEC DATA
実勢価格:7,500円前後(税込)
対応スマートフォン:iPhone 7/8
構成/河原塚英信