初代X1は使いやすいサイズで大人気に
ベテランのアウトドアズマンにとってBMWといえば、「質の高いスポーツサルーンをつくるブランド」という印象が強いだろう。だがそれも今や昔。
SUV、ワゴン、そしてコンパクトミニバンといったRV系も充実し、特にベーシックなクラスは若いファミリーにも大人気だ。
今回ご紹介するX1は、同社のSUVで最も小さな部類に入る。
2010年から日本に導入された初代は全高を低めた設計で(1545㎜)、立体駐車場にも入れやすいサイズであることから都市圏を中心に支持されていた。その反面、スタイリングにSUVらしさはあまり感じられず、実用面でも大きなメリットを感じづらいクルマではあった。また目線が低めであることから、やや腰高なワゴンに乗っているという印象も強かった。
堂々としたルックスと高い実用性を備えた2代目X1
そんななか、2015年秋にモデルチェンジした2代目はボディサイズをちょっぴり拡大して、よりSUVらしいルックスへと変身。主張を強めたフロントマスクを含め、堂々たる存在感を放つ。
なお、全高こそ1610㎜となって立体駐車場には入れにくくなったが、先代では縦置きだったエンジンを横置きにすることで、室内は明らかに広くなった。特に後席は足元に余裕ができ、オプションでスライド機構も付く。多人数乗車時はもちろん、1~2名乗車時の荷物の配置もしやすくなっているのだ。
ラゲッジ容量も先代より85L増えて、床下の100Lにも及ぶ収納と合わせて大量の荷物をすっきりと積み込める。
前輪駆動でOKなら1・5Lがおすすめ
エンジンは1・5L直列3気筒ターボと、出力の異なる2種類の2L直列4気筒ターボの計3種類。
1.5Lモデルは前輪駆動で、価格は385万円から。排気量の小ささを感じさせない力強さと、ドイツ車らしいがっしりした乗り味で運転が楽しい。
天候に左右されない走りとパワーを望むなら2Lモデルだ。こちらはすべて4WDとなり、なかでも上級モデルの「25i xLine」は、低速からトルクがもりもりと湧き出て、きつい登り坂もすいすいと駆け上がっていく。ATは8速(1・5Lは6速)で、きめ細かく変速することでスムーズな乗り味が体感できる。
ただし、値段は一気に上がって569万円から。これではおいそれとは手が出せない。若干出力を下げた中間モデルの2リッターなら473万円から選べるので、現実的にはそちらが有力な選択肢となるだろう。
もちろん、前輪駆動で構わなければ1・5Lが断然おすすめだ。
【BMW・X1 sDrive18iスタンダード】
全長×全幅×全高:4455×1610×1820㎜
車両重量:1660kg
最低地上高:185㎜
最小回転半径:5・7m
エンジン/排気量:直列3気筒DOHCツインターボ/1498cc
燃費:19・6km/L(欧州値)
最高出力/最大トルク:136ps/220Nm
トランスミッション:6AT
駆動方式:2WD
価格:¥3,850,000
問い合わせ先:BMW 0120・269・437
構成/櫻井 香