キャンプで便利な鉈、集めました。
山仕事や農作業、野良仕事などで使われる鉈(なた)。都会の生活ではほとんど使うことがない刃物ですが、キャンプなどのアウトドアシーンでは、ひとつあるととても便利なんです。
主な用途として焚き火用の薪割りが挙げられます。薪を細く割ったりフェザースティックのような焚き付けを作ったり。大きめのアウトドアナイフでも代用できますが、形状や刃厚によっては刃こぼれを起こしたり、刃が欠けてしまうことも。その点、刃の厚さが十分な鉈ならば心配要りません。
鉈と斧の違いを知ろう
薪割り道具としての鉈と斧(手斧・ハンドアックス)。どちらとも木を叩き切る、切り裂く(割り裂く)道具ですが、鉈は菜切包丁のような四角い矩形(くけい)の刃に、握りやすい柄が特徴的です。一方の斧は、ハンマーヘッドと呼ばれる重い斧頭に長めの柄が付いていて、薪などを割るのに特化していて細かい作業には不向きになります。
汎用性の高い刃を持った鉈は薪割りのほか、枝打ち・枝払いなどにも便利で、登山道の整備でも用いられています。また、包丁のような切れ味を持つことから野菜や果物の収穫やカット、はたまた竹割りでも重宝します。工具としても農具としても使える、マルチな刃物です。
鉈の種類を知ろう
鉈は刃の形状によって種類が異なります。前述のように、刃が矩形の鉈は「腰鉈」と呼ばれます。刃がナイフ(剣型)のようなものは「剣鉈」です。軽量コンパクトな剣鉈は、釣りや狩猟で使われることも多く、魚を捌いたり獲物を解体したり、その後の調理でも用いられる万能刃物です。細かな作業にも向いており、木工や竹細工でも重宝します。細身でツバが付いているモデルや刃に模様のあしらいがあるモデルなどがもあります。ですが、キャンプでの薪割りを主な使いみちとするのであれば。最初の一本は腰鉈がオススメです。
片刃と両刃について
鉈の刃には、片刃と両刃があります。片刃はブレードの片方に刃が付いています。また、片刃には右利き用・左利き用があります。両刃は右面左面どちらにも刃が付いているので、右利き用左利き問わずに使用できます。
その形状から片刃のほうが鋭く、枝や細い幹を伐ったり、料理や細工に向いています。ただし、薪を割るのであれば、両刃をオススメします。ホームセンターでは、枝払用の片刃、薪割り用の両刃として販売されていることが多いです。
持ち運びしやすく取り回しやすい小型鉈
鉈の中でも取り回ししやすいのが、小型サイズ(刃長が短いモデル)のものです。携帯に便利で、藪などをかき分けることもできます。サイズが小さいから収納・保管にも困りません。握りやすいよう持ち手に工夫が施されているものもあります。紐付きのものは手首に通すことで、不意に外れて落とす心配もありません。山仕事・山歩きでも、ひとつあると重宝します。
ユニフレーム / UNIFLAME
TSURUBAMI ちび鉈 片刃二寸三分
No.684078
新潟県燕三条発のアウトドアブランド、ユニフレームの鉈。刃長約70mm、全長約185mmと小型で嵩張りません。また、専用ケースが付いているので、安全に持ち運びできます。
●サイズ:全長/約185mm、刃長/約70mm、身厚/約6mm ●重量:約290g
モチヅキ / MOCHIZUKI
チビナタ
金物の町として有名な新潟県燕三条市で作られた、ミニサイズの鉈です。柄が小さいので力が入りやすく、細い枝切り作業などに適しています。熟練の鍛冶職人の手によって作られた鉈は、小さいだけでなく、非常に丈夫です。
●サイズ:全長/245mm、刃長/110mm ●材質:刃物用炭素鋼、白樫
ナチュラルスピリット / Natural Spirit
チビナタ
14221
重量249gの軽量鉈です。ブレード部分の収納ケースも付いているので、キャンプやアウトドアで気軽に持ち運びができます。
●重量:249g
ダッチウエストジャパン / Dutchwest Japan
越乃火匠 久八 小嘴鉈(こはしなた)
KK-NTK
片手にすっぽり収まる小型の鉈です。小割りや焚き付けづくりに適しています。刃の先端についたフック状の突起(石付き)で、小割りした薪を手元に引き寄せることができます。
●サイズ:31.5cm ●重量:約400g ●刃渡り:11.5cm
ダッチウエストジャパン / Dutchwest Japan
越乃火匠 久八 厚鉈(あつなた)
KK-NTA
適度な重み、厚みの刃がついた小型鉈です。力を入れずに簡単に薪を割ることができます。専用ケースと落下防止用の真田紐付きです。
●サイズ:37.5cm ●重量:850g ●刃渡り:13.5cm
モノラル / MONORAL
小割銀鉈
薪を小割りにするために開発された、キャンプ用の小型鉈です。鋭い刃付けにより、抜群の割りやすさを実現しています。
●サイズ:23cm ●重量:295g ●刃渡り:9cm
ほんまもん
腰鉈 火造り鉈 東周作 本場土佐 「極上」腰ナタ両刃 青紙鋼120mm(ナタ・鉈)
●サイズ:約270mm ●重量:約290g ●刃渡り:約120mm
トヨクニ / TOYOKUNI
土佐鍛ダマスカス豆山遊鉈 腰鉈
bip-801
1946年創業の老舗メーカー、トヨクニによる小型鉈。小型ながらオールマイティーに使え、フェザースティック作りや調理にも向いてます。
●サイズ:200mm ●重量:150g ●刃渡り:80mm
バランスに優れた150-170mmクラスの鉈
鉈としてはごく一般的なもので、ホームセンター等でも取り扱いが多いサイズです。大きさ、長さもさることながら、種類が豊富なことも魅力。機械で量産されている安価なものから、職人による手作りまで、幅広く販売されています。
モチヅキ / MOCHIZUKI
山鉈 165MM
熟練の鍛冶職人の手によって作られた、ミドルサイズの鉈です。刃長165mmで、太めの薪でも割ることができます。持ち運びに便利なケースには革素材を使用しています。
●サイズ:355mm ●刃渡り:165mm
ダッチウエストジャパン / Dutchwest Japan
越乃火匠 久八 朱入れ片刃鉈(なた)
KK-NTS
割る、切る、削るという基本的な使い方はもちろんのこと、枝払いや枝打ちにも切れ味を発揮します。刃の裏面に掘られた「朱」は山仕事での安全を祈願して刻印されたものです。
●サイズ:35.5cm ●重量:540g ●刃渡り:16.5cm
ダッチウエストジャパン / Dutchwest Japan
越乃火匠 久八 鉈 大嘴鉈
KK-NTO
刃の先端に石付きがある鉈です。大嘴(くちばし)鉈という製品名はこの形状から由来しています。石付きは刃こぼれを防ぐ効果があるほか、小割りした焚き付けを手元に引き寄せることもできます。
●サイズ:36.5cm ●重量:700g ●刃渡り:16cm
ナチュラルスピリット / Natural Spirit
山鉈 165mm(木鞘入)
14210
美しい曲線が目を引く165mmの鉈です。柄から刃にかけてのゆったりとしたカーブは、薪割りの際に遠心力をかけやすい作りとなっています。
●サイズ:350mm ●刃渡り:165mm
千吉 / Senkichi
千吉 レジャー鉈 角型 150mm
SGKN-2
耐久性に優れた全鋼刃を採用。長さ、重さのバランスに優れ、アウトドア用途に最適です。ツバが付いているので、手が刃に当たることがありません。
●サイズ:幅60×高さ340×奥行30mm ●重量:360g ●刃渡り:150mm
千吉 / Senkichi
千吉 サヤ入り 腰鉈 双刃 鋼付 165mm
握りやすく、振り下ろしやすい両刃鉈です。刃研ぎ用の鋼が付いているのでメンテナンスも安心。携帯に便利な専用の鞘も付属します。
●サイズ:縦380×横75×奥40mm ●重量:480g
冒険倶楽部 / BOHKEN CLUB
なたとのこ 小
NS-180
腰鉈と鋸(のこぎり)がセットになった、なたとのこ。鉈と鋸を専用ケースに収納すれば、両方同時に持ち運びが可能です。大きい薪は鋸で切断して、鉈でさらに小さくするなど、幅広く利用できます。
●サイズ:鉈/350mm、鋸/340mm ●重量:鉈/380g、鋸/90g
慣れれば鬼に金棒! 180mm以上の鉈
刃長が長い大きなサイズになると、取り扱いには慣れが必要です。ですが、正しく使えるようになると心強い相棒となります。長さがある分だけ当たる面積が広く、重さの分だけ力が伝わります。200mmを超えるような大型の鉈は、木の伐採や枝払いなどにも重宝します。
モチヅキ / MOCHIZUKI
山鉈 180MM
モチヅキの鉈シリーズの中でも最大サイズの鉈です。全長370mm、刃長180mmと長めに設計されているのが特徴。刃が長い分、遠心力を利用して、パワフルに薪割りができます。
●サイズ:370mm ●刃渡り:180mm
池内刃物 / IKEUCHI
山ナタ 青鋼 諸刃 木サヤ
53-180BM 180mm
昭和28年から60年以上、小刀作り一筋の池内刃物。刃と柄が一体化された共柄仕様で、グリップにはパラシュートコードが巻きつけられています。
●サイズ:42.2×7.8×4.2cm ●重量:590g
シルキー / Silky
鉈 ナタ 両刃 180mm 本体 ゴムハンドル
555-18
持ち手がゴム素材になっている鉈です。ゴムクリップが手への衝撃を和らげ、滑りにくい仕様に仕上がっています。強い衝撃に耐えられるよう、刃全体に硬い焼入れが施されているのも特徴です。
●サイズ:365mm×100mm×25mm ●重量:735g ●刃渡り:180mm
ナチュラルスピリット / Natural Spirit
山鉈 180mm(木鞘入)
14211
刃渡りが180mmと長めのタイプの鉈です。ツル切りの際には広範囲を刈り取ることができます。グリップは柄元に向かって細くなっていくつくりで、握りやすく力が伝わりやすい構造です。木製の鞘も付属しています。
●サイズ:370mm ●刃渡り:180mm
日野浦刃物工房
味方屋作 鞘鉈6寸(180)両刃
越後鍛冶、日野浦刃物工房による刃長180mm(約6寸)の両刃鉈。伝統技術により、硬い鋼でも研ぎやすく欠けにくい刃物を実現。職人による一点モノです。
●サイズ:370mm ●重量:520g ●刃渡り:180mm
ベアボーンズリビング / BAREBONES LIVING
ジャパニーズナタアックス
JAPANESE NATA AXE
重量が約1.02kgと、頑丈かつ重い作りの長鉈。鉈本体の重みで太い薪を割ることができます。柄にはウォールナットを使用。ビンテージ感が漂い、デザイン性にも優れています。
●サイズ:約49cm×約2cm×約5cm ●重量:約1.02kg
トヨクニ / TOYOKUNI
晶之作 竹割鉈 240 両刃 黒 青2鋼 柄鞘付
伝統の土佐打ちで作られた竹割鉈。職人の手でひとつひとつ打ち鍛えることにより、切れ味、耐久性に優れた刃を実現。竹を割りやすいよう、刃身を細くするなどの工夫が施されています。ツバ付き。
●サイズ:390mm ●刃渡り:240mm
シルキー / Silky
鉈 ナタ 両刃 210mm 本体 ゴムハンドル
555-21
日本刀の切れ味を追求して生まれた鉈。刃全体に特殊合金鋼を使用し、焼き入れを施すことで高い切れ味を実現している。刃は交換可能(別売り)。替刃交換時に、ネジ止めなどを必要としない独自設計が魅力。
●サイズ:38cm ●重量:540g ●刃渡り:21cm
シルキー / Silky
ヨキ
570-27
刃先のカーブが特徴のシルキーヨキ。カーブを使って楽に枝寄せを行ない、特殊合金鋼素材の鋭利な刃で枝をバラすことができます。また、柄のゴムクリップが滑り止め効果をもたらすので、安心して使えます。
●サイズ:490mm ●重量:520g 刃渡り:270mm
山仕事用、レジャー用問わず、鉈はホームセンターや各種通販サイトで購入することができます。実物を見て触れて、自分にあったものを選ぶのがベストですが、通販のような実際に見比べて商品選びができない場合は、刃長や重さ、刃の構造などをよくみて(商品説明をよく読んで)選ぶようにしましょう。鞘のある無しもポイントのひとつです。
安全に使うために
鉈は刃物なので、使い方をひとつ間違えただけで大きな怪我につながります。使用する前にまわりに危険がないか(人、モノなど、要注意です)、しっかりと見渡してから使うようにしましょう。また、振り下ろしたときに思わぬ事故にならないよう、手袋等も必要です。焚き付けづくりの最中にひざや足の指に当たってザックリ切れてしまった…ということもよくある話。刃物を使うときには肌を露出しない服装も大事です。初心者はもちろんのこと、慣れてきた人でも起こり得ることなので、細心の注意をもって使用しましょう。
持ち運びや保管にも注意しましょう
銃刀法では「正当な理由による場合を除いて、刃渡り6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない」と、定められています(刀剣類とそれ以外で長さが異なります)。キャンプ使用するための持ち運びは「業務その他正当な理由」に当たりますが、所持している状況や場所等で、抵触してしまう(違反になってしまう)おそれもあります。
持ち運びはギアボックスなどに入れるなどの注意が必要です。腰にぶら下げて所持した状態で公道を歩いたり、お店に入ったりしないようにしましょう。また、子どもたちが触れないよう、保管にも配慮が必要です。
使用後のメンテナンスも大事です
鉈を使用したあと、そのままにしておくとあっという間に錆びてしまいます。刃物はステンレス(銀三鋼、銀紙)、青鋼(合金鋼、青紙)、白鋼(工具鋼、白紙)などの鋼材が素材として用いられており、いくら耐腐性に優れたステンレスでも、メンテナンスしないと錆びます。
お手入れの方法としては、1)汚れを落とし、2)水分を拭き取ってよく乾燥させる。3)防錆用のオイルを塗布すれば完ぺきです。
鉈は刃物なので、包丁のように砥石で研ぐこともできます。ですが刃先の形状はそれぞれ異なるので、適した角度を見つけて刃付けするようにしましょう。
製品によっては替刃も販売されています。使い慣れた柄はそのままに、刃だけを交換することで購入時の性能に戻ります。廃棄する場合は自治体のゴミの出し方に沿って行ないましょう。
知っておくと何かと便利な鉈の話
刃の先端が尖っているものは何?
矩形の鉈のなかには、先端にある突起ものがあります。この部分を「石付き」と呼び、振り下ろしたときに刃にかかる負担を和らげる効果があります。刃が丸太などの土台に叩きつけられたり刺さったりしたとき、この石付きが先に当たって刃先が欠けるのを防いでくれます。この石付きがある鉈は、「エビ鉈」とも呼ばれます。
共柄(ともえ)って何?
木材で作られた柄ではなく、刃と柄が一体になったものを指します。握りやすいよう、また、滑り止めにもなるよう、紐やゴム、ロープ類などが巻かれています。アウトドア用というよりかは山仕事用で、中国地方で多く使われています。
海外で鉈といえば…
鉈を英語に訳すと「Hatchet(ハチェット)」ですが、これはミニサイズの斧を指します。欧米の愛好家たちの間では、日本の鉈がクールと好む人たちも少なくはありません。アメリカのアウトドア&ガーデニングブランド、ベアボーンズリビング(BAREBONES LIVING)が、ジャパニーズナタアックスという製品を発売しているのもうなずけます。中南米の人たちが使う山刀「マチェテ(Machete)※マチェーテとも」は、日本の鉈と近いカタチです。
刀鍛冶にルーツを持つ打刃物(打ち刃物)
歴史的にも刃物と深い関わりがある日本では、日本各地で鍛冶技術が普及し、刃物産業として今日に至っています。高温の炉の中で焼き入れをし、ハンマーで叩き伸ばす。越後三条打刃物、越前打刃物、堺打刃物、土佐打刃物、関打刃物、播州三木打刃物、安来鋼などが有名な刃物の産地です。鉈、斧、鋸(のこぎり)、鎌などの農山林具ほか、ナイフや包丁などが作られています。
鉈は片手で持つもの? 両手で持つもの?
一般的な鉈は片手で持って使用します。ですが、竹割り用の長い鉈は、両手で持って使用するものもあります。また、刃の両サイドに柄が付いた「両手鉈」などもあり、ひとえに鉈=片手ということではありません。形状に合わせた使い方、選び方があります。
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