この時期、アルプスや八ヶ岳に登るのはハードだけど、低山なら日帰りでサクッと登れる山もある。
往復で3時間くらいの行程なら、朝登って昼過ぎには下山も可能だ。
せっかく晴れた休日は、バックパックにゴアテックスウェアを入れて、おいしいものを食べに行こう!
今回『b*p9号』(P.42-P.43)の取材で南高尾にある草戸山(くさとやま)に登ったのは、
英国風パブ『HUB』の人事担当小川和珠さんと医療系テープ販売会社で営業を勤める田部聡司さんのふたり。
フェス仲間のふたりは、キャンプや山登りが大好き。
とくに田部さんは、テントを担いでアルプス縦走をするほどの経験者。
今回は、初心者の小川さんをアテンドする役だ。
「息が白い!」
草戸峠で休憩中、小川さんがバックパックからゴアテックスウェアを取り出した。
「今年、フェス用に買ったんですけど、キャンプでも山登りでもフル活用しています」
ゴアテックスウェアは、雨具としてはもちろん、ちょっとした山歩きの防寒着としても、ちょうどいい。登り道で体温が上がってもムレにくいから行動中も快適なのだ。
1時間ほどで山頂に到着。松見平休憩所からは眼下に城山湖、遠くには東京の街並みが。
「スカイツリーが見えるよ~。すごい!」
模型まで持っているという小川さんは大興奮だ。
しばしの休憩後、転げ落ちそうなほどの急坂を下ったかと思うと、今度は登り返し。3時間の行程だが、なかなか厳しい。下山したときには、ほどよく汗をかき、お腹もいい具合に減っていた。
旬の野菜料理を肴にお酒が楽しめる蕎麦屋『杜々』に入店し、さっそくビールで乾杯!
「このかぼちゃの天ぷら、ジンセイでいちばんおいしいです!」
感動した田部さんがお店の奥さんに聞くと
「塩をふって、蒸してから揚げるんです。水分が増して甘くなるんですよ」と教えてくれた。ひと手間加えたていねいさに、さらに感動した田部さんは、思わず握手を求める。
「テンション上がりすぎ!」と小川さんは隣で大爆笑だ。
歩いてハラペコになって、うまいものを食べる。どんな高級レストランにも負けないシアワセ感が「ちょい登山」にはあるのだ。
【今回立ち寄ったお店】
<杜々>
2012年にオープンした、蕎麦と雑穀料理のお店。高尾山口駅、高尾駅のどちらからも徒歩15分ぐらい。蕎麦は、店主の石井さんが毎日蕎麦打ち小屋で打っている。サイドメニューは、奥さんの担当。無農薬野菜と雑穀を使った家庭料理が楽しめる。
http://blog.soba-toto.com/
◎文=中山夏美(フェス&食担当ライター/山形いも煮広報部長) 写真=矢島慎一(山&鳥好きフォトグラファー)