ソロキャンパーの自宅作業〜ソロ・グランドシートを自作しよう!〜
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    2020.05.02

    ソロキャンパーの自宅作業〜ソロ・グランドシートを自作しよう!〜

    私が書きました!
    アウトドアプロデューサー/ネイチャーインタープリター
    長谷部雅一
    1977年4月5日生まれ。有限会社ビーネイチャー取締役。家族がいるのにもかかわらず、ソロキャンプ、ソロ登山、ソロ旅などなど、お一人様遊びをこよなく愛する風来坊なネイチャー系会社の役員。仕事の範囲は広く、プロジェクトの企画・コーディネート・運営の他、研修講師、ネイチャーインタープリター、場作りの仕掛け人も務める。著書『ネイチャーエデュケーション』(ミクニ出版)、『ブッシュクラフト読本 自然を愉しむ基本スキルとノウハウ』(メイツ出版)など多数。その他雑誌連載、テレビやラジオなど、アウトドア、幼児教育を主として多数のメディアにて活躍中。

    ソロキャンプは「どこに行くか?」「何を持って行くか?」「何を食べようか?」など、本拠地となる自宅で企む準備の時間は本番と同等に幸せです。そんなソロキャンパーの自宅作業でオススメの、フィールドで大活躍するギアの作り方を紹介します。つくるのは、「ソロ・グランドシート」というもの。これは痒いとこに手が届く、実際に使ってみるとものすごく便利なのにつくるのは奇跡的な簡単さを誇ります。チクチク縫い物系の製作になりますが、手縫いでも簡単につくれるので挑戦してみてください。

    1:ソロ・グランドシートって何?

    「ソロ・グランドシート」は僕がつくった造語的名称ですが、要するに小さなレジャーシートです。ソロキャンプをしていると、ちょっと座りたい、荷物を置きたいといった時などに、直接地面は…。というシーンが多々あると思います。そんな時にとっても便利なアイテムです。主な使用用途は次の通り。

    ・地面に座りたい時
    ・椅子に座ったときにに靴を脱いで足を置く時
    ・焚火をするときなど、膝をつきたい時
    ・小さな物をとりあえず置きたい時

    裏面が防水素材で、表面がコットン生地のため比較的焚火の火の粉などにも強いため、いろいろな用途で使うことができます。実際使ってみるとすこぶる便利で僕のソロキャンプ装備には必ず入っています。製作自体も「1mmズレたら失敗!」ということはなく、最悪数cmズレてしまっても使えるから大丈夫です!

    2:道具

    ・ミシン
    ・針(厚地用)
    ・糸(♯30)
    ・カッター
    ・ハサミ
    ・カッターマット
    ・定規
    ・水性ペン
    ・チャコペン(無ければ水性ペンのみでOK)
    ・ピンチ/まち針(生地がズレないように仮で止めておくもの)

    3:材料

    今回使用したキャンパス生地は黒だけど、色のレパートリーはたくさんあるので好きな色を選ぼう

    材料はとってもシンプルで、次の2つだけです。どちらもインターネット通販などで簡単に安価で手に入ります。

    ・キャンバス生地(帆布生地)コットン100% 12オンス(厚さ):320mm×440mm
    ・タイベック(ハードタイプ):320mm×440mm

    4:図面

    僕がオススメするサイズは紙で言うとA3に近いサイズですが、構造自体はシンプルなのでお好みのサイズで製作するのもいいと思います。オリジナルサイズで製作する際のポイントは、「欲しいサイズ+縫いしろ(四角形の4辺10mmずつとる)」で設計することです。外側の線はカットする線で、内側の線は縫う時の目印になる線。この内側の線に沿って縫っていきます(以降:縫い線)。サイズ表記はオススメのサイズが入っています。

    5:作り方

    作り方は簡単で、「線を引く」「切る」「縫う」「裏返す」「縫う」の5つの工程だけ。だれでも挑戦しやすいように細かくポイントを説明していきますのでじっくり製作時間を楽しんでください。

    ①材料に線を引き切り出す

    キャンバス生地とタイベック両方に線を引き、線に合わせて切る。線を引くのが面倒な場合はまず1枚目に線を引いて切り、それを型紙代わりにもう1枚の布に乗せて線を引き切っても大丈夫です。縫い線は、2枚の布を重ねて縫うためどちらか片方に引いておけば問題ありません。切るときは、間違えて縫い線の方で切らないように注意。

    線を引いた面は最終的に内側になって見えなくなるので、気にせずしっかりと線を引いておこう

    色が濃い布を使う場合は白やピンクなど見えやすいチャコペンで線を引く

    タイベックはカッターで、布は布切り用のハサミで切ると楽。外側の線に沿って切る

    ②2枚の材料を縫い合わせる-1

    「①」でカットした生地2枚を重ね、作業中にズレないようにピンチやまち針でとめる。この時、完成時に表側にたい面を内側にして重ねよう。縫い線がある方を表にして、その線を2枚一緒に縫い止めを残して直線縫いで縫う。縫いはじめと縫い終わりの10mm程度はそれぞれ数往復縫って糸が抜けないようにする。この縫い作業時に、間違えて縫い止め部分も縫わないように気をつける。

    布がずれないようにピンチでとめた状態。縫い進めていく際は、ミシン針が近づいてきたタイミングでピンチを外していく

    コットンとタイベックという異素材を重ねて縫うので、ズレなどが出ないようにゆっくり縫い進める

    角のスタートと終わり部分の縫い作業は、10mm程度数回往復縫いをする

    ③2枚の材料を縫い合わせる-2

    使用中にほつれたり布2枚がはがれてしまわないように、先ほど縫った場所よりも3〜4mm程度外側を同様に縫う。こうすると、「②」で縫った部分がほつれてもバックアップになる。すぐに完成させてイン場合はこの工程を省いてもOK。

    2周分縫った状態。右下は縫い止め部分なので間違って縫わないように気をつけよう

    ④中と外をひっくり返す

    縫い止め部分の空いている部分から2枚の布の中と外を、ズボンの表裏をなおすような要領でひっくり返す。ひっくり返した後、四隅がしっかり直角になるように定規などを中に入れて強めに押し出すように角を整える。この作業をする道具は菜箸でもなんでも大丈夫です。

    表と裏をひっくり返す際は、縫い目から布が切れないようにゆっくり慎重に行う

    角部分をしっかりと出すコツは、内側からしっかりと押し出すように定規などを動かす

    ⑤縫い止め部分を整える

    縫い止め部分はこの後上から縫っていくので、キャンバス生地、タイベック両方とも内側に10mm程度折り込む。心配な場合は折り込んだ場所をピンチで止めておいてもいい。

    折り込み作業は角部分もしっかりとおこなう

    ⑥縫い止め部分を縫う

    縫い閉じられていない縫い止め部分の前後1cm程度から、布の端の2mm程度内側を縫う。この時も縫いはじめと終わりは数回往復して糸が抜けないようにする。

    折り込んだ部分がズレないように押さえながら縫い進める

    はじめと終わりは数往復縫って丈夫にしておく

    <ポイント>
    ・ミシン作業部分は、直線縫いだけなので手縫いでも大丈夫です。
    ・形は四角形でなくてもOKです。好きな形、サイズで作ってみてください。
    ・ポケットを付ける、ギア収納に使えるなど、ギミックをつけても面白いです。

    日頃なかなかものづくりに縁がない方や苦手意識がある方でも、オリジナルの道具ができるとソロキャンプの出動がまた楽しみにますよ!

    楽しいソロキャンパーの自宅作業を楽しんでください!オートキャンパーの方にも便利なキャンプ道具の作り方は、僕の著書『自作キャンプアイテム教本 (グラフィック社)』にたくさん掲載させていただいていますので是非参考にしてみてください。

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