時に母なる自然は厳しい。風、雨や寒さという悪天候によって低体温症を引き起こし、最悪の場合死亡事故を起こしてしまう危険性も・・・。寒さだけではなく、人間というのは酷暑にも弱い。そこで重要になってくるのが、厳しい自然から身を守る「シェルター(避難場所)」。
どのようなシェルターを作ればいいのか?
もちろん、テントやタープなどを持っていれば一番シェルターとしては理想的。でも残念ながら、ピンチに限って、そういった道具を持っていないかもしれない。そういった時、自分の身の回りにある枯れ木や葉っぱなど、自然の素材を使ってシェルターを作ることができたら、悪天候でも野宿することができるし、とても便利です。ということで、今回は道具を持っていなくても簡単に作れるナチュラルシェルターを紹介したいと思います。
避けたほうが良い場所とは?
シェルターを作り始める前に、まずは場所を決めよう。気をつけた方が良い点はいくつかあります。
・水に近い川辺や沼地にはシェルターを作らないように。増水による危険性があるので、できれば高地でシェルターを作りましょう。
・風が強い場所も避けましょう。
・獣道(野生動物が通る道)から離れましょう。鹿が通ったら問題ないかもしれないですが、クマが追ってきたら困りますね。
・上を見ましょう! 倒れてきそうな枝や木の下は避けよう!(落石にも注意)
・同じく、多くの木が倒れている場所がある場合は、その場所が低地である可能性があります。風が吹くと、木が倒れてくる危険性があるので避けましょう。
差し掛け式シェルター(Lean-to shelter)
まず、2本の木を使った、差掛け式シェルターを紹介したいと思います。
① 2本の生きている木の間に、1本の棟木を渡し、2本のY字の形をしている枝で支える。
② 地面から約45度の角度で、枝をぎっしりと差掛け(枝の隙間に雨や風ができるだけ通らないように)、その上に小枝、葉っぱやコケなどを使い、シェルターを断熱仕様にする(泥や雪の時も使えます)。
③ 壁だけではなく、地面も断熱しないと、温度を保つのにあまり効果が出ない。それを防ぐために、地面には小枝、乾燥している葉っぱやスプルースの枝などをいっぱい起きましょう。
注意! 始める前に、風向きに注意して、作りましょう。風がシェルターの背中に当たるよう作りましょう。
Aフレームシェルター(A frame shelter)
Aフレームシェルターは、差掛け式シェルターより、手間がかかりますが、風雨から身をしっかり守ることができます。
①まず棟木(1本)とY字の形をしている枝(2本)を集める。
②2本のY形の枝を合わせて、枝のフラットな部分を地面に置ける。
③Y字の形をしている枝に、棟木を置いて、後ろの部分を地面に置く。
④壁として、上記の3本で作られた間に枝をぎっしりと並べていき、その上に葉っぱなどを載せる。(葉っぱが風で飛ばされないように、最後は葉っぱの上に小枝などを起きましょう)
⑤体温を保つために、地面の冷気を防ぐ必要がある。乾燥している葉っぱなどをいっぱい置く。
# 入口に大枝で壁を作ると(リフレクターという)、焚き火を焚いたときにその輻射熱を利用することができ、さらに中が暖かくなる。(焚き火が作れなくても、風よけになるので、作って損はない)
衣服もシェルターの一部
実は、着ている衣服もシェルターの一種。テントやタープもなく、シェルターを作れない時には、自然から身を守る唯一のシェルターとなるかもしれません。アウトドアに行く時には、どういう環境に行くのかをよく考えた上で、予備の衣装を持って行きましょう。予備の靴下、手袋、帽子、マフラーやポンチョなどを持っていくと良いでしょう。
※撮影/Anton Engblom https://www.facebook.com/antonengblomphotography/
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※協力/Bushcraft Denmark https://www.instagram.com/bushcraftdanmark/
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※衣装/Fjallraven http://fjallraven.jp/