アウトドアが盛んなオレゴン州ポートランド在住。東京・サンパウロでの広告代理店勤務を経て、現在はフリーライターとして日本のメディアに現地情報を寄稿している。旅行、お酒、食事、キノコ狩り、カヌーなどが大好きです。オレゴン・マイコロジカル・ソサエティ会員。
意外に多い、食べられる花
春から初夏にかけてのこの季節。のんびり外を歩くと、たくさんの花が目に入ると思います。私の暮らすポートランドでも、ライラックや藤、ハナミズキ、ツツジ、菖蒲などが咲き誇っています。また、牡丹や芍薬、バラの季節もすぐそこです。
これらの花を見て、香りを楽しむのはもちろんですが、実は意外とたくさんの花が食べられるんです。例えば今挙げた花の中では、ライラック、牡丹と芍薬、バラの花が食用になるそうです。
アウトドアへ出かけられない時には、花を使った調理で家の中にも少し自然を取り込んでみませんか?
”foraging”の流行
foragingとは、日本語で「食べ物を探す」といった意味です。最近、キノコや山菜、木の実、海藻、貝類など、自然の中から食料となるもの(wild food)を集めて食べることとしてアメリカでもよく耳にするようになりました。
山と海が近くて自然が豊かで、また「地産地消」、「ファーム・トゥ・テーブル」など新鮮な食材を尊ぶグルメタウンとして知られるポートランドでも、このforagingは人気があります。
近隣で採集した野生のキノコや木の芽、ローズヒップやハックルベリーのような木の実などをレシピに取り入れるレストランやブルワリー、サイダリーも珍しくありません。
また、ラベンダー、菜の花、ハイビスカス、ビオラ、金蓮花、バラ、カレンデュラといった食用花もサラダやデザート、カクテルやモクテル、お茶などにもよく利用されています。花を使った一品は、見た目も美しく、SNSなどでも目を引きます。
もちろん風味も独特で、近年の複雑なボタニカルフレイバーの流行と合わせて、これからも食材としての花は、ますます人気が出るのではないでしょうか。
ライラックを食べてみた
見た目も美しく、香り高いライラック(リラ)の花。実は食用にもなります。房のように咲くライラックの花の1つ1つは星型でとても可愛いです。
砂糖に香りを写したり、サブレにしたりとお菓子に使うのはもちろん、そのままドリンクに浮かべたり、サラダやフルーツにトッピングするだけで、可愛い見た目に仕上がります。
「ブロッサム・ウォーター」というアメリカで販売されているフレイバー・ウォーターの風味の1つ、「ライラック・グレープフルーツ」の組み合わせを再現して、グレープフルーツと合わせてみました。
味はマイルドで、ライラックの香りそのまま。簡単にフルーツやデザートに華やかな風味を加えることができて、おすすめです。
芍薬とバラのジャム
牡丹と芍薬は、アメリカではどちらもピオニーと呼ばれ、両方とも根や皮は、昔から漢方薬として使われてきたそうです。また、美しい花びらや種も食用になるそうです。
またバラの花びらもジャムにすると美味しいと聞きます。
これらの花は、まだたくさんは咲いていないので、今回はバラと芍薬の花びらをミックスしたジャムを作ってみました。
煮詰めている間から、香り高い花の香りがいっぱいに広がり、とても優雅な気分になりました。色も素敵です。
皆さんもよろしければ、この機会に花を食卓に取り込んでみて下さいね。