
燻製はおうちで手軽にできる!
家でアウトドア気分を味わいたいなら、ぜひオススメしたいのが「燻製」です。スモークチップを使った「熱燻」という方法であれば、手軽に家庭用コンロで楽しむことができます。
燻製人が必ず通る道…それがチーズ
燻製の中でもスタンダードな素材とされるチーズは、下ごしらえ不要で調理が簡単です。しかも燻したてはもちろん、冷ましても美味しく、ワイン、ビール、ハイボール…とお酒との相性もバッチリ。
そこで今回は、燻製チーズの定番「6Pチーズ」を含む5種類のチーズを用意。燻製チーズのさらなる可能性と魅力を深掘りするべく、燻し比べてみました。
チーズ5種を燻し比べてみよう
今回は、どこのスーパーでも手に入りそうなものを5つチョイスしました。

用意したのは、プロセス、カマンベール、クリーム、ゴーダ、モッツアレラチーズ。
ラインナップはこちら。
1:雪印メグミルク 6Pチーズ(左上)
2:明治北海道十勝 カマンベールチーズ(右上)
3:フィラデルフィア クリームチーズ(真ん中)
4:クラフト 無垢 熟成ゴーダ味(左下)
5:トップバリュ モッツァレラチーズ(右下)
セッティングをしよう
燻製で使用するのは、SOTOのブレンドスモークチップ。スモークチップを使用する「熱燻」はコンロなどの熱源が必要ですが、短時間で調理が可能です。時間をかけた調理で保存性を高める温燻、冷燻とは違い、熱燻は「食材にスモーキーな香りをまとわせる」というイメージですね。

今回使用した、SOTOのスモークチップとCAPTAIN STAGのミニ燻製鍋。両方ともホームセンターで購入しました。
チーズ表面の水分はキッチンペーパーでしっかり拭いておきましょう。水分が残っていると、エグみが出てしまうことがあります。燻製する少し前に冷蔵庫から出して、常温に戻しておくことをオススメします。
燻製器の底に一掴みのチップを敷いたら、網を乗せ、その上にアルミホイルを敷きます。こうすると、チーズが熱で溶けてしまっても安心です。具材から出た水分がチップにかからないようにする役目もあります。

セッティング完了。今回は条件を揃えるべく、5種類いっぺんに燻します。
最初は強火にかけ、煙が出てきたらフタをして弱火にします。換気扇を回すのもお忘れなく!
火にかけて待つこと13分…

燻製後のお姿。色の付き方や溶け具合も種類によってかなり違いますね。
何だかおかしなことになっているやつもいますが、ともかく問題はお味です!早速、試食してみましょう。ちなみに使用する燻製器や好みによって、燻製時間は調整してみてください。今回は、燻製時間は8分、その後フタをしたまま5分置きました。
いざ、燻製チーズを食べ比べ
見た目はそれぞれ個性的な仕上がりですが、味の方はどうなのでしょうか。
1:雪印メグミルク 6Pチーズ(プロセスチーズ)

キレイに色付きました。香りも食感もしっかりめです。
形も崩れずキレイに色付いてくれるので、「これぞ燻製」といった感じでテンションが上がります。味も濃厚さが増した印象。表面が固くコーティングされたようになり、ツルツルしています。この部分に燻製の香りがたっぷり染み込んでいるので、スカッとハイボールにでも合わせたくなる仕上がり。
2:明治北海道十勝 カマンベールチーズ

見事に溶けました。元々少しクセのあるチーズなだけあって、独特な風味に。
見た目は残念な感じですが、後に出てくるモッツアレラよりは「よく見るチーズの溶け方」ではあります。溶け出した部分は柔らかく、カマンベールの独特な風味も残っています。特徴的だったのが原型をとどめていた表面(皮?)の部分。元来のコクと燻製の香りが合わさって、ナッツのような香ばしい風味に。
3:フィラデルフィア クリームチーズ

クリーミーな食感がしっかり残りました。何かと合わせて食べたいですね。
色白さは残しつつ、ほんのり色付きました。元が柔らかい割には形状の変化もありません。表面はツルっとしますが、6Pチーズよりは柔らかく、薄い膜を張ったという感じ。燻製の香りでクリームチーズの風味はあまり感じられませんが、クリーミーな食感は保たれているので、バゲットなどにのせても美味しそうです。
4:クラフト 無垢 熟成ゴーダ味

パッと見は焼き菓子のようなかわいらしさ。
硬さ、色付き具合もほどほどで、5種の中では最もバランスが取れている印象。とはいえ無個性というわけではなく、燻す前よりも少しホロっとした食感がクセになります。水分がいい具合に抜けたためでしょうか?ギュッと濃厚さが増した仕上がりになっています。
5:トップバリュ モッツァレラチーズ

最もおもしろい変化を見せたのはこちら。一度は食べてみてほしいお味です。
燻していると、ものすごく水分が出ます。その結果、気持ちいいくらいペラペラになりました。色や香りは付きにくいようです(水分が多いせい?)。クセのない味わいと弾力ある歯ごたえが特徴のモッツァレラですが、ある意味その特徴は大いに引き出されたと言えるでしょう…。こういった予想外の変化も、燻製の楽しみのひとつです。
やはり6Pチーズは燻製界の王様だった?

ひと手間かけたおつまみで、家飲みの幸福度がグッと上がります。
手軽に燻製を楽しむなら、やはり6Pチーズは「どこでも売っている」「色付き方がキレイ」「香りがしっかり付く」などの点で優れていたのだな、という結論に至りました。
ただ、それはあくまで「入門編としては」です。今回は同じ条件で燻しましたが、それぞれに合ったやり方を探してみたくなりました。
サラダに入れたりパンに挟んだり…食感や風味などによって、ほかの食材との相性を考えるのも楽しみのひとつです。ぜひ、自分好みの燻製チーズを探してみてくださいね。