前回はミニトマトの植え付けと葉物野菜の種蒔きをしました。野菜たちはすっかり大きく育っています。あとは成長を見守るだけ、と言いたいところですが、美味しい野菜を収穫するにはもうひと手間、適切なメンテナンスが必要です。
今回は葉物野菜(小松菜、MIXレタス)と果菜(ミニトマト)の手入れの方法をお教えします。
葉物野菜はこう育てよう!間引きと害虫防除
種を蒔いてからはや2週間。小松菜もレタスもすっかり双葉から本葉になり、所狭しと芽が育っています。可愛いですね。しかし、このままでは順調には育ちません。たくさん生えた芽を良く観察してみてください。成長具合にそれぞれ差があります。
密に生えている箇所は、養分の取り合いになり、小さいままの芽が多く生えています。このままではかえって収量が落ちてしまいますので、余分な芽を間引きしましょう。間引きは指でつまんで引き抜くか、先の細いハサミで根元から切ってください。
くっついて生えている芽を半分取る、と決めて、端から作業をしましょう。一度間引きして、また成長して密になってきたら同じように間引きしましょう。
間引き菜も野菜ですから美味しく食べられます。採れたての葉物は、ほんの数分でしおれてしまいます。間引きながら水を貼ったボウルなどに入れていくと便利です。
次に、野菜を育てていく上で大事な害虫対策についてです。
果菜にも被害はありますが、何より葉物野菜は食べる部分に虫がつくので、被害は甚大です。次の3つの手段を理解して、My野菜を守りましょう!
菜園を害虫から守る3つの手段
野菜を虫の被害から守るには大まかに3つの手段があります。それが以下の3つの方法です。
・化学的防除
・物理的防除
・生物的防除
化学的防除は農薬など薬を使う方法は、家庭菜園ではできれば避けたいですね。
生物的防除は、害虫を食べる天敵を利用したり害虫の嫌がる植物を一緒に植えたりする方法です。これもスペースの限られる家庭菜園、ベランダ菜園ではなかなか実現が難しいでしょう。
最後に物理的防除。これが菜園での主戦力です。物理的防除はその名の通り、野菜をネットで囲ったり、手で虫を取り除いたり、物理的に対策をすることです。
大きな畑であれば大変な作業ですが、ご家庭のプランターひとつであれば、これが一番確実で簡単です。今回の小松菜やレタスであれば、食害をする虫は蜂や蛾の幼虫=イモムシがほとんど。ネットで覆って卵を産めなくすれば被害にあうことはありません。
ただし、そのためには大切な掟があります。それは「虫が付く前にネットで覆う」ことです。小松菜もレタスも、本葉が展開し始めたらすぐに虫除けネットをかけましょう。
ネットはホームセンターや100円ショップで売っています。ただし苗の上に直接かぶせてしまうと成長を邪魔したり、布が擦れて葉が傷むことがあります。
四隅に支柱を立ててその上からネットをかぶせてください。布の端はプランターの底に挟んでおけばOK、メンテナンスや水遣り以外はかけておくようにしましょう。
果菜はこう育てよう!ミニトマトの脇芽かき
ミニトマトに間引きはないので、このまま育てていけば、と言いたいところですが、こちらも適切なメンテナンスが必要。それが芽かき、と呼ばれる作業です。
ミニトマトは成長とともに、全ての葉の根元から脇芽を出します。そのまま放っておくと、脇芽に栄養を取られてしまい実がなりにくく、なっても味が悪くなります。そのため、不必要な芽は取ってしまいます。農家さんの主流は1本仕立て、これは上に伸びる最初の芽(主枝)のみを残して他の脇芽を全て取ってしまう方法です。
この方法でももちろん良いですが、家庭菜園では1つの苗から2本の枝を生かす2本仕立て、もしくは3本仕立てがおすすめで、1本仕立てより収量が見込めます。欠点は収穫期間が伸びることですが、家庭菜園では一気に収穫時期が来るより、むしろ好都合と言えるでしょう。
それでは脇芽を取って行きます。脇芽とは茎と葉の間から生えた芽(成長点)のことです。
手順①
苗からまっすぐ上に伸びた主枝は残します。
手順②
「一番花房(最初に咲いた花)の直下の脇芽」これも残します。トマトの脇芽はここが一番大きく、すぐに見分けがつくと思います。2本仕立てならこれでOK、3本仕立てならこの1つ下の脇芽も残します。
手順③
それ以外の脇芽やは指でつまんで取ってください。今後も成長とともに脇芽が出ますからこれも取ります。
こうして2本(3本)の枝のみが芽を伸ばし続けるようにしてください。伸ばした枝は成長に応じて上の支柱に結んでいきます。ナスやピーマンもやり方は多少違えど同じ要領で育てます。
ちなみに今回取った間引き菜は、新鮮なうちにスモークハムで巻いてオリーブオイルと塩を少々かけて、お酒のつまみにぺろっといただいちゃいました。これも菜園家ならではの贅沢ですね!