福島県小野町にある「ACNあぶくまキャンプランド」は、多くのリピーターさんたちに愛されているキャンプ場です。「ただいまー!」と言いたくなるようなアットホームな雰囲気に包まれ、もちろん初めて訪れるキャンパーさんも温かく迎え入れてくれます。
今回は、そんな愛されキャンプ場の魅力を探りに訪ねてみました。
木漏れ日が心地良い林間キャンプ場
「あぶキャン」の愛称で親しまれる「ACNあぶくまキャンプランド」は、磐越自動車道小野インターから車で10分ほどのあぶくま高原内にあります。
木漏れ日がさす心地よい雑木林の場内には、子どもの遊び場「わんぱく小屋」や、絵本や児童書がたくさん並ぶ「ミニ図書館」、クラフト教室が楽しめる「クラフト小屋」など、オーナーのアイディアから生まれた子どもを楽しませる施設が。
テントサイトは、区画が林間のオートサイトとなっていて、リードをつないでおけば全サイトペットOK。気軽にキャンプが楽しめるログキャビンやバンガローもあり、まだお子さんが小さい家族連れやテント泊が苦手という方にも安心です。
家族風呂(予約制)やランドリールーム、小さなお子さん用の幼児トイレまであり、ファミリーに優しい配慮がさりげなくされています。
また、4月から奥サイトがリニューアル!小さめだったサイトを拡張したほか、AC電源を増やし、バリアフリーのトイレ、炊事場も新たに設置されました。
大人も子どもも楽しいイベントが充実!
あぶキャンの魅力のひとつが手作り企画の楽しいイベントです!
季節ごとに、流しそうめんや餅つき、なわとび大会、シーズン最後のさよならキャンプなど手作りの楽しいイベントを開催してキャンパーを楽しませてくれます。
キャンプファイヤーはお客さん皆で火を囲み、フォークソングを歌ったり、踊ったり、子どもの頃に体験した林間学校の懐かしい雰囲気が蘇ります。
フォークギターで盛り上げてくれるのは夫婦デュオ「劇団ふたり」。元々は常連キャンパーさんだったのだそうですが、あぶキャンとオーナーファミリーの魅力に惹かれ、年に数回イベントを盛り上げるためにお手伝いに来てくれているのだとか。今ではあぶキャンのイベントには欠かせない存在です!
※イベントは不定期ですので、予約時に問い合わせてみてくださいね。
場内には天然酵母のパン屋さん「コピスcafe」も!
場内には、焼きたてパンやピザ、あぶくまの天然水を使ったコーヒーが味わえる「コピスcafe」も併設されています。コピスcafeオーナーの鈴木さんもまた、元々はあぶキャンを利用する常連キャンパーだったのだとか!
素材にこだわり、白神こだま酵母や国産小麦、天然塩などシンプルな素材で焼き上げたパンは、噛むほどに小麦本来の甘みが広がります。
宿泊中のキャンパーには、前日に予約をすれば翌朝に焼きたてのパンが購入できる嬉しいサービスも!自然の中で食べる焼きたてのパンは格別ですね♪
夫婦で夢を。脱サラしてキャンプ場経営へ
東京でサラリーマンをしていた新堂オーナーがこの地でキャンプ場をオープンさせたのは26年前。今でこそ、人気のキャンプ場ですがオープン当初は苦労されたそうです。
「アウトドアが元々好きだったんです。その頃はキャンプの走りのような時期で、週末になるとどこのキャンプ場も駐車場までキャンパーが溢れるほど満員でした。脱サラをしてキャンプ場経営をする人がいると耳にして、自分にもできるかも!と思っちゃったんです。甘い考えでした…。今では、よくできたなと思いますよ(笑)」
新堂さんはサラリーマンをしながら週末になると一人で色々なところを見てまわって歩いたのだそう。なかなか、これぞ!という場所が見つからないなか、たどり着いたのが縁もゆかりもない福島県小野町。右も左もわからないまま、手付かずの雑木林から地面を出すところから始まりました。
「キャンプ場をOPENしてからも、今のようにSNSなんてない時代だから宣伝に苦労してね。雑誌社に一件一件電話をしたり、手紙を送って情報を掲載してもらったり、パーキングにチラシを置いてもらいに回ったりしましたね。それで少しづつお客さんに知ってもらえるようになりました。」
また、オフシーズンには建設会社で働き、キャンプ場の整備や施設作りなどに活かすために土木作業のノウハウを覚えたのだとか。毎年少しずつ改良を重ねて施設を増やし、自分たちの手であぶキャンを作り上げてきました。
「今では信じられないけど、サラリーマン時代は庭の草一本も抜かない人だったんですよ!(笑)」と妻の真由美さん。
「オープン当初は本当に苦労しましたけど、自分たちが一生懸命頑張っただけ、お客さんが喜んでくれて、それが自分たちに返ってくるんです。それが一番嬉しいんですよね。」と話す真由美さんの笑顔が印象的でした。
両親の築いたキャンプ場を守っていきたい
現在は、次女夫妻もキャンプ場スタッフとして働いています。
HPやSNSを担当し、広報としても活躍する次女・加南子さんですが、昔はキャンプ場に近寄るのも嫌だったのだとか。
「福島に引っ越してきたのは、姉が小学校5年生、私が3年生の時でした。標準語だったから学校では浮いてしまって、馴染めなかったんです。当時は私も姉も泣いて、親を恨みました。だからいつも親には反発心を抱いていましたね」
敷地内にはほとんど入らず、お客さんとの関わりもなかったという加南子さんの心境に変化が現れたのは、社会人となり休みの時などにキャンプ場を手伝うようになってから。
「手伝うようになって、リピーターさんたちの温かさに触れて、初めて両親の凄さに気づいたんです。そのうち反発していた気持ちも全部なくなっていました。両親は一切私に継ぐようなことを強要してくることはなかったんですが、この場所をずっと守っていきたいという自分の気持ちが芽生えたんです。反発していた期間は結構長かったんですけどね(笑)」
整備士だった夫・雄介さんも手伝うようになり、今では家族一丸でキャンプ場を切り盛りしています。
お客さんの笑顔が一番!
最後に、新堂オーナーにキャンプ場経営で大切にしていることを伺ったところ、「来てくれたお客さんが笑顔で帰ってくれること。それが何より!」と話してくれました。
自然の中の心地良さと、オーナーファミリーの温かい人柄、細やかな配慮に不思議と気持ちが和らぎます。
「また帰って来たくなる」。そんな魅力が訪れてみてよくわかりました。
子ども連れでも安心して過ごせるキャンプ場です。ぜひ、あぶキャンでゆっくりのんびりキャンプを楽しんで思い出をたくさん作ってくださいね。
【ACNあぶくまキャンプランド】
福島県田村郡小野町浮金字日影83-78
TEL:0247-73-2945
HP:https://abucam.co.jp/