【Introduction~音楽家・井手健介さんとb*pの出会い】
私たちが井手健介さんに出会ったのは、「Taiko Super Kicks」(タイコ・スーパー・キックス)のライブでした。
対バン相手「井手健介と母船」のボーカル&ギターとして登場した井手さんは、何か不思議なオーラと独特な歌詞。そして、引き寄せられる声をお持ちでした。
その後、王舟さんのライブを見に来ていた井手さんを再び発見!
どうしても気になった私たちは、思い切って声をかけてみたのでした。
井手健介と母船 「青い山賊」
そんな経緯があって実現した、この井手さんのコーナー!
井手さんが気になる「モノ、コト」の話。
映画館で働いてた経験もある、井手さんならではの視点で自由なセレクトをしていただいております。
第1回目は、好きな音楽をご紹介。
「幸福のすみか」CD
山本精一+PHEW
「1998年、日本。完全にありがたいもの。あなたにとって名盤とは、と言われるとまずこれかなと思います。底なし沼のような諦観を演奏しているが、顔は無表情で両足が3mmくらい地面から浮いている。こういうのをユーモアというのではないかと思っています。無人島どころか、あの世にも持っていきたい1枚です。」
http://www.contrarede.com/special/yamamoto_phew.html
「ミイラと蚊」LP
ゑでぃまぁこん
「2013年、日本。日本の至宝、ゑでぃまぁこん。
曲名にもありますが、まさに“スロウな夢”をみているよう。
ところで以前、カーネーションの直枝さんが『ニール・
ヤングを貪り聴きすぎてどんなに曲を作ってもニール・
ヤングになってしまう時があった』と話されていましたが、
僕にとってゑでぃまぁこんがそれなのです…。」
http://eddiemarcon.com/index.html
「Sort Of」LP/CD
SLAPP HAPPY
「1972年、ドイツ+イギリス+アメリカ。サイケで実験的な要素もありつつあくまでポップでキャッチー。この猥雑な感じが最高にかっこいいです。ファズの音そのものがユーモラス。紅一点ダグマー・クラウゼの朗々とした歌い方も痺れます!時々、日本の戦隊モノとか昔のアクション邦画のテーマソングみたいに聴こえる時もある。」
「 1971年、イギリス。“木漏れ日フォーク”という言葉がぴったりな、フィールドレコーディングの大傑作。思わず落涙しそうになるほど珠玉の歌とハーモニー…それを音盤にする上での答えが屋外で録ることだったなんて、最高すぎる! 鳥も優しくコーラス。針を落とすと、もう美しすぎて、時間の流れが変わってしまい、日常のあれやこれやを全部やめたくなるので、かえって危険な一枚です。」
「Dreaming With Alice」LP/CD
Mark Fry
「1972年、イギリス。白昼夢を見ているようなアシッド感覚溢れる名盤です。牧歌的な曲もありつつ、時にシタールの早弾きソロやフルート、テープの逆回転などが炸裂する呪術的なサイケデリアも。なんというか、近くにいたら友達になりたいタイプ。きっと夢見がちな人だったんだろうな…いま何やってるんだろう…と思ったら突然来日して跳び上がりました。サインしてもらったレコード、宝ものです。」
<井手健介>
1984年3月生まれ 宮崎県出身。
東京・吉祥寺「バウスシアター」のスタッフとして爆音映画祭等の運営に関わる傍ら音楽活動を始める。
2012年より「井手健介と母船」のライヴ活動を開始、不定形バンドとして様々なミュージシャンと演奏を共にする。
2014年夏、「バウスシアター」解体後、1stアルバムのレコーディングを開始、2015年8月、待望となるファーストアルバム『井手健介と母船』をリリースした。
撮影:やないももこ