12月14日に3年ぶりとなるアルバム『LIFE』をリリースした山崎まさよしさん。
プライベートでは最近、木工(DIY)にハマっているそうです。
“Do It Yourself”な趣味と、音楽づくりについて聞きました。
■DIYが好きになったきっかけ
――木工好きが高じて、東急ハンズ40周年記念ソングまで作ったという山崎さん、なぜDIYにハマったんですか?
山崎 東日本大震災のとき、自宅のスタンドに立ててあったギターが全部倒れてたんです。それで10本まとめて壁に立てかけるような感じで固定するスタンドを自作してみたら、地震でも倒れないし場所もとらないし、これはいいなと。そこからです。
――アイデアグッズですね!
山崎 その後は妻のリクエストで包丁スタンドとかブックラックとか。釘やねじを使わずにノミでホゾを掘って組み立てるんですけど、そういう構造を考えながら作るのが好きですね。
――めっちゃ高等テクじゃないですか‼
山崎 僕は山口県で育ったんですが、小さいころから、そこらへんの木を切ってきていろいろ作ってました。ブルース・リーが大好きだったから鎖に木をくっつけてヌンチャクを作ったり(笑)。図工とかも好きでしたね。
――噂によると、無類のホームセンター好きだとか。
山崎 木工を始めてからは、ノミ、カンナ、トリマー、ルーターとか、いろいろ買ってます。
――それって、もはや本格的な大工さん並みの工具ですね。
山崎 これには出会いがありまして。数年前のツアー中に倉敷で『KAKIのウッドワーキング』という本を見つけたんです。まず、ノミの研ぎ方とカンナの刃のつけ方から始まるんですが、この本がすごくおもしろい。それで、尾道の商店街でふらっと入った金物屋さんでノミを買うてしもうたんですね(笑)。その後、『春を背負って』という映画の主題歌を担当したんですが、この本を生んだ富山の家具工房「KAKI」が映画のロケ地だったんです。もちろん現地にもお邪魔しまして、運命的なものを感じましたね。
■音楽をDIYするということ
――今回の新作は、プロデュースも自ら手がけているんですね。
山崎 まさに“Do It Yourself”のアルバムです。大勢で音楽を作ると化学反応が起きたりしてすばらしくよくなることが多いですし、自分ひとりで作るとオーバープロデュースの危険性もあります。そこを注意して、主観と客観を使い分けて、「これ以上やったらアカンやろ」というところで止める。20年以上音楽活動を続けてきて、いまやっとそれができるようになったなと。
――そんなお話をうかがっていると、音楽づくりって、木工にも通じるような気がしてきました…。
山崎 ひとりで作る良さは、試せること。「ここ足らんから補強入れよう」とか、「いや、これ以上はやりすぎじゃないか」とか。そんな模索のなかで、「ここに補強入れよう」と気づけることが良さやと思うんですよ。音楽作りの過程で、今の自分の立ち位置やスキル、弱点さえも明確になる。それがDIY的なものづくりの良さだと思いますね。
■PROFILE/山崎まさよし
1971年 12 月 23 日、滋賀県草津市生まれ。山口県防府市育ち。1995 年に「月明かり照らされて」でデビュー。 1997 年公開の主演映画『月とキャベツ』主題歌「One more time, One more chance」がロングヒットし、ブレイク。精力的な全国ツアーを行なってきたほか、全国各地のフェス・ベン トへ出演、ミュージシャンとしてのセッション参加なども数多く、音楽ファンのみならず多方面から支持を得ている。2016 年3月2日に発売したシングル「空へ」は、『映画ドラえもん 新・のび太日本誕生』主題歌として 大きな話題に。 https://www.office-augusta.com/yama/
■最新アルバム『LIFE』
2016年12月14日に発売された3年ぶりのオリジナルアルバム『LIFE』。映画『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』の主題歌「空へ」や、家族愛、親子愛をテーマにした最新シングル「君の名前」を含む全12 曲を収録。
特別盤 【CD +DVD 】税込¥ 4,320
通常盤【 CD 】税込¥ 3,240
◎文=小林百合子 写真=中里 楓 ヘアメイク=三原結花(M-FLAGS) スタイリスト=宮崎まどか
シャツ ¥19,000 / ( ONES STROKE / Birds eye TEL 03-6407-9340)
アクセサリー 参考商品 / NORTH WORK 他 スタイリスト私物