見捨てられた廃材にもう一度価値を見出し、再利用する文化をつくりたい。そんな思いが形になった、新感覚のリサイクルショップが登場した。
アメリカ・オレゴン州ポートランドにある建築建材のリサイクルショップ、「リビルディングセンター」。ゴミとして処分されるモノを資源として再利用して、世代を問わずさまざまな人が行き来し、地域のコミュニティの場にもなっている。
そんなショップに感銘を受け、空間デザイナーの東野唯史さんが、日本ではじめて「リビルディングセンタージャパン」を信州上諏訪にオープンさせた。
日本の「リビセン」と本家本元の違いは、カフェがあること。
「いろんな人が来やすいようにカフェを併設しました」
と、話してくれたのは、スタッフの松下萌黄さん。
松下萌黄さん(28歳)文房具のプロダクトデザイナーから転職。「自分でデザインした物を自分で施工する、何でも屋(?)的スタイルの東野さんはスゴい」。カフェ、レスキューに製作と何でも屋挑戦中。
カフェの大きな窓からは古材売り場が眺められ、DIYに興味がなくても、ここでのんびりコーヒーを飲んでいると、ちょっと覗いてみたくなる。
2階の古道具売り場では、タイムスリップした気分に。
「古材を引き取りに行くことを、レスキューと呼んでいます。実際に自分でレスキューに行くと、どういう人が使っていたか、モノの背景まで持って来ることができる。これは、櫛職人の使っていた漆まみれのお椀。諏訪は養蚕が盛んだったので、諏訪式の糸巻なんかもあるんですよ」
そんな話が聞けるのも、「リビセン」ならではかもしれない。
『REBUILDING CENTER JAPAN』フロアガイド
【1st FLOOR】
併設されたカフェ。スタッフが張った床材や手作りのテーブルに古材利用のヒントが。
【2nd FLOOR】
解体現場から一緒に運び出された古道具も販売。
古い工具(¥100〜)や剪定鋏(¥1,200)、木槌(¥2,500)など道具好きにはたまらない。
昔懐かしい磨りガラス入りの建具(¥2,000〜)も豊富。
諏訪地方で採れ、瓦のように使われていた鉄平石(¥2,000)。
【3rd FLOOR】
イスは生地の張り替え職人も紹介してくれる。
農作物を入れる麻袋って、カッコイイ。キャンプやインテリアに、いろいろ活躍してくれそうだ。
木箱などのボックスもいろんな種類がそろっている。
近所のおばあちゃんが持ち込んだ背負い籠なども、すこぶる良い感じ。
リビルディング センター ジャパン
長野県諏訪市小和田3−8
☎0266-78-8967
営業時間:9:00〜18:00(カフェ) 11:00〜18:00(古材)
休業日:水・木曜日
http://rebuildingcenter.jp/
※構成/大石裕美 撮影/小倉雄一郎 (初出:BE-PAL2017年9月号)