中古バンの改造計画、再開!
春の訪れの遅いカナダ・ユーコンも、4月後半になると日中の気温もプラスになり、雪もだんだんと溶けてくる。
去年の夏にスタートした、中古バンのキャンピングカー改造計画。とりあえずは冬キャンプができるようにと、三層の断熱処理、ベットとキッチンを最低限使える状態まで完成させた。そしてちょうどそのタイミングで冬がやってきて、連日氷点下の屋外で作業はできないと、改造計画は中断。
冬の間この状態で、度々キャンプをしてみた。外気温がマイナス20度近くまで冷える日も、しっかり車内を暖めてから寝れば、明け方に吐く息が白くはなるものの、翌朝水が凍ることもなく、問題なくキャンプができた。
そして、春になったのでそろそろ作業を再開することに。
冬キャンプで不便だったこと…
それは料理で発生した水蒸気が、車内にこもること。これを改善するには換気扇を付けるしかない。ということで今回は、天井に換気扇を付けることにした。
開閉式の蓋がついた換気扇ユニットが、キャンピングカー専門店で売っている。今回はそれを取り付ける。まずは換気扇ユニットを採寸して、それがぴったり収まるように、屋根を切るためのガイドラインを描く。
ガイドラインに沿って、慎重に屋根を切っていく。グラインダーのディスクは、鉄板切断専用の薄いものに付け替える。一度グラインダーのディスクが屋根の鉄板に食い込むと、もう後戻りできない! 火花が散るので、サングラス、長袖シャツ、手袋の着用は必須!
屋根は切れた! それでもグラインダーのディスクが届かなくて、断熱材と天井材までは切れなかった。そちらはジグソーで切ることに。
ついに天井に穴が空いた! この作業が終わるまでは、雨に降られるわけにはいかない。天気の良い日に一気に終わらせてしまいたい作業。とはいえ、色々と慎重な作業が多いから、意外と時間を要する。この日の天気予報は、一日中晴れマークだった。
鉄板の断面をヤスリで削ってなめらかにしたあと、そこにしっかりとサビ止めを塗る。3層ある断熱材も、隙間に湿気が入ってカビが生えないようにと、切断面にはシリコンをしっかりと後から塗った。
換気扇ユニットを取り付ける
この換気扇ユニットには、蓋を開閉する為のハンドルがある。この車、車内で腰を伸ばして立てない。天井が低いのだ。このユニットをそのまま直に屋根に取り付けると、頭をハンドルにぶつけかねない。そこで車内で少しでも快適に過ごすために、屋根と換気扇ユニットの間に2x2角材でフレームを作って、それを咬ませて取り付け位置を高くすることに。
でもその前に…
屋根表面はでこぼこしてるから、角材フレームとの間に隙間ができてしまう。そこでブチルテープ(白とグレーのテープ。ブチルゴムを使った軟質の防水テープ)を、へこんだ箇所に重ね貼りをして、ギャップを調整する。
ブチルテープの上から角材フレームを重ねて、しっかりネジ留め。
さらにもう一段角材フレームを重ねて、高さを調整。雨漏りが心配されそうな箇所、角材を重ねるときはブチルテープを挟んで、隙間にはシリコンコーキングで、防水処理をする。
今度は角材フレームが雨で濡れないように、グラスファイバーシートでコーティングする。
このシートを貼り付けるのが、レジンという液体。2種類の液体を混ぜて、グラスファイバーシートの上から塗ると、カチカチに固まって補強、防水処理ができるというもの。匂いがキツイので、換気のいい場所で使いたい。
布状に編まれたシートの繊維の隙間に、レジンを染み込ませていく要領で塗っていく。はじめからグラスファイバーシートの上からレジンを塗るよりも、一度木材に直接レジンを塗ってからシートを貼り付け、さらにその上から再度レジンを塗るといい。そうすることで、サラサラしたグラスファイバーシートが木材に張り付いて、作業が楽になる。滑らかで下地の形に馴染みやすいシートも、重なる箇所や鋭角な箇所では、隙間ができやすい。そういう箇所は、空気が入らないように位置を調整しながら、たっぷりとレジンを塗っていくのがコツ。
再度ブチルテープの出番。グラスファイバーとレジンで処理をされたフレームと、換気扇ユニットの間にブチルテープ貼って、ネジ留めをして完成!
角材フレームで高さ調整をしたおかげで、ハンドルに頭をぶつける心配も無さそう。天井を少々汚してしまって後悔。マスキングをしたものの、まだ気温が少し寒かったせいか、マスキングテープの糊の着き具合が悪くて剥がれてしまった…。
換気扇を回すためには、配線工事も必要。その電力はソーラーパネルで発電したい。
次回はソーラーパネル設置用に、屋根にウッドデッキを作る予定。お楽しみに!