野外に遊びに行く用意をするとき、パッキングしにくいのがクッカーだ。やわらかなテントや寝袋とは違い、形状がしっかりと硬く、どうにもかさばって場所をとる。けっこう邪魔なのだ。
だが、まさか伸縮自在の折りたたみ式で火にかけられるクッカーが登場するとは!
シートゥサミット「X–ポット」はシリコンとアルミという異素材を接着したもので、火で熱しても外れないのだから、恐れ入る。しかもシリーズ同士で組み合わせれば、スタッキングも可能だ。
早速、多摩川のほとりでデイキャンプ。こいつに試練を与えようと、アウトドアで作ると焦げて失敗しやすいホワイトクリームのシチューを作ってみた。
沸騰したシチューは粘度が高い泡をクッカー底面から吹き上げる。吹きこぼれそうになって少々ビビるが、ただそれだけ。
軽くかき混ぜるだけで焦げ付きもなく、まったく普通のクッカー並みに使えるではないか。強火にすると炎が側面にまわり、シリコンが溶ける可能性はあるが、注意して使えば問題ない。
あえて難点を挙げれば、同サイズのクッカーよりも少々重いことと、新シリーズゆえにサイズ展開が限られ、スタッキングの幅が少ないことか……。しかしこれは予想以上の実力ですよ。
シートゥサミット/X-ポット2.8L
Sea to Summit/X-Pot 2.8L
耐熱性を高めたシリコンの側面にアルミ製の底をつけ、折りたためるようにした画期的なクッカー。ブルーの「X–ポット2.8L」のほか、8月ごろにオレンジの「X–ポット1.4L」、グリーンの「X–ケトル」、大型の4.0ℓサイズなどが登場する予定だ。
¥7,000
問い合わせ先/キャラバン TEL03(3944)2331
高橋庄太郎
アウトドアライター。キャンプの朝飯は、いつもラーメン。その結果、年に100食以上もインスタントラーメンを食べている。好きな銘柄は「中華三昧」だ。
撮影/加戸昭太郎