キャンプで料理にこだわりたい場合、熱が伝わりやすい焚き火フライパンを使うことで料理のクオリティーが上がります。コンパクトなので持ち運びが簡単で、使っていくうちに自分だけのオリジナルなフライパンに仕上がるのも魅力です。焚き火フライパンの特徴や使い方を紹介します。
焚き火フライパンとは?
焚き火フライパンとは、いったいどのようなフライパンなのでしょうか?まずは、焚き火フライパンの特徴について解説します。
ハンドルを現地調達するフライパン
焚き火フライパンには、ハンドルが付いていません。キャンプ地などの現地で調達することが前提とされています。ハンドルがないことでバックパックなどへコンパクトに収納できるため、持ち運びにも便利です。
『ブッシュクラフト』という考え方から生まれたフライパンで、オリジナルハンドルによって自分好みの調理器具にアレンジできるのが最大の特徴です。独創的なデザインが焚き火シーンにマッチするでしょう。焚き火へのセッティングの仕方も自由度が高く、焚き火との距離や高さを調整しやすい点も魅力です。
無骨なデザインやコンパクトな収納性はもちろん、耐久性や実用性も評価されています。本格的なブッシュクラフターから焚き火好きのキャンパーまで、大人気のキャンプ用フライパンです。
ブッシュクラフト社から発売
ブッシュクラフトとは、ほとんどの道具を現地で調達して加工する、より自然と一体になれるアウトドアスタイルです。太古の時代から人間が培ってきた、自然環境と共存しながら生活する知恵や技術を思い出させてくれる『レトロで新しいスタイル』ともいえます。
日本における焚き火フライパンの第一人者といえるのが、日本で最初のブッシュクラフト専門ブランドである『ブッシュクラフト株式会社』です。
焚き火フライパンは、森の中などで適当な生木を見つけてナイフでサイズを調整し、付属の釘などを打ち込んでハンドルを固定します。固定する釘は付属品や別売品の用意もあるものの、現地で小枝を見つけてナイフで加工した木釘を使用することで、ブッシュクラフトをより実感することができるでしょう。
焚き火フライパンの魅力
キャンプ料理で活躍するき火フライパンには、さまざまな魅力があります。コンパクトに収納できるので持ち運びが簡単な点や高い熱伝導率、自分だけのフライパンに仕上げられる点が主な魅力です。
コンパクトで持ち運びが楽
ハンドルが付いていない焚き火フライパンは、荷物をコンパクトにまとめられます。通常はハンドルが付いている部分に突起がないので邪魔にならず、持ち運びに非常に便利です。
このコンパクトなフォルムが焚き火フライパンの最大の特徴で、荷物を必要最小限にしたいソロキャンプや登山キャンプ、ツーリングキャンプなどのスタイルにおすすめです。
最小限の荷物でキャンプやブッシュクラフトを楽しみたい場合はもちろん、単純に持ち運びを楽にしたい場合は、取り外し可能な既存のハンドルを使用することもできます。もしハンドルを忘れたり、現地で壊れたりといった場合も、焚き火フライパンであれば何とかなるという安心感があります。
高い熱伝導率で美味しい料理が可能
焚き火フライパンは鉄製なので、焚き火料理をさらに美味しく作ることが可能です。鉄製のフライパンは熱伝導率が非常に高く、高温によって素早く食材に火を通すことができます。蓄熱性にも優れるので料理が冷めにくく、鉄分を同時に補給できるという点もメリットです。
朝食の定番ハムエッグはもちろん、ステーキやパエリアなど、キャンプの人気料理がワンランク上の味に仕上がります。
自分だけのフライパンに仕上がる
焚き火フライパンは、好きな素材や形状、長さのハンドルを装着できるのも大きな魅力です。通常のフライパンと異なりあえて未完成なので、最後に自分で作り上げるという楽しさがあります。
焚き火フライパンの魅力を最大限生かしてブッシュクラフトを楽しみたい場合は、適した木片などを見つけてハンドルを自作し、毎回違った自分だけの焚き火フライパンに仕上げましょう。その日の気分や場所によって、世界に一つだけのオリジナルな焚き火フライパンが完成します。
焚き火で調理する際には、長めのハンドルを取り付ければ火に近づきすぎなくて済み、安全に焚き火料理を作れます。加熱方法やフライパンの使い方に合わせてハンドルの長さを調整し、使い勝手にもこだわってはいかがでしょうか。
人気の焚き火フライパンを購入
軽量かつコンパクトでありながら、しっかりと料理ができる人気の焚き火フライパンを紹介します。それぞれの特徴や魅力をチェックして、自分に合った焚き火フライパンを選びましょう。
ブッシュクラフト「たき火フライパン2.0」
ブッシュクラフト社のたき火フライパンは、鉄製で熱伝導率が高く、本体を薄く小型化したことで携帯しやすい仕様になっています。改良によって留め穴が二つになり、ハンドルをより強固に固定できるようになりました。
独創的な自分だけのフライパンに仕上がることから、本格的ブッシュクラフターをはじめ、キャンプ料理をおしゃれに演出したいキャンパーに人気の商品です。
面倒なシーズニングやならしは不要で、購入後すぐに焚き火での調理に使用できます。アンティーク調の留めネジとおしゃれな麻袋が付属しており、キャンパーへのプレゼントとしても最適です。
- 商品名:ブッシュクラフト「たき火フライパン 2.0」
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ブッシュクラフト「たき火フライパン 深め」
ブッシュクラフト社で大人気の『たき火フライパン』の携帯性や機能性はそのままに、レシピの幅を広げるために改良されたシリーズ第2弾です。
『たき火フライパン 深め』は、強度を上げるために鉄板の厚さを1.2mmから1.4mmに変更されました。そのため重量が約610gから705gと少々重くなりましたが、厚さの変更によって強度が増し、さらに美味しく調理できるようになっています。
こちらは純国産で、ならしやシーズニングも不要です。リネン製収納ケースとアンティーク調のヒートンネジも付属しているので、より調理の幅を広げたい人は深めの焚き火フライパンを選ぶとよいでしょう。
- 商品名:ブッシュクラフト「たき火フライパン 深め」
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おすすめ焚き火「用」のフライパン
焚き火フライパンではありませんが、焚き火での調理に適している商品を紹介します。いずれも軽量かつコンパクトで、料理が美味しく仕上がるフライパンです。
moose「Frying iron 3.2t」
アウトドア用の鉄板とフライパンのよいところを組み合わせたアウトドアクッカーです。約16cm四方の3.2mmの鉄板に、ブッシュクラフト感覚を楽しめるオリジナルハンドルを付けられる柄が付いています。
鉄板は厚いほど調理に適しているといわれますが、厚みが増すと重くなってしまうため、ソロキャンプやブッシュクラフトでは持ち運びが困難です。そこで美味しく焼けてかつ持ち運びの利便性を損なわない最適な厚さとして、3.2mmの鉄板を採用しています。
鉄板は蓄熱量が高いので料理が冷めにくく、高い熱伝導率が調理の際に熱を効率的に食材に伝えるため、表面をカリッと焼き上げながら中をジューシーに仕上げるといったことが可能です。
- 商品名:moose「Frying iron 3.2t」
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ペトロマックス「シュミーデアイゼン フライパン」
『シュミーデアイゼン』とは『鍛えられた鉄』という意味のドイツ語です。その名の通り昔ながらの鍛造製法で、熱した鉄を叩いて伸ばし、頑丈なフライパンに仕上げています。
フライパン全体が鉄で作られているので、ずっしりとした重量感があります。非常に耐久性が高く、焚き火や薪ストーブでの使用に最適です。高い熱伝導率と優れた熱保持力を併せ持つのが特徴で、表面には網目状の溝が切られており、油や肉汁を流れやすくして料理の焦げ付きを抑えます。
使い始めのならしやシーズニングについては、付属の日本語説明書に記載されているので、初心者でも安心して使用できるでしょう。
- 商品名:ペトロマックス「シュミーデアイゼン フライパン」
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ユニフレーム「ちびパン」
ちょっとしたおつまみを作るのに最適な、コンパクトサイズのフライパンです。見た目もかわいい小振りなフライパンは、1人分の料理にぴったりで、そのまま器としても使えます。
材質は業務用の中華鍋やフライパンに使われる、熱伝導に優れた『黒皮鉄板』です。
鋳鉄製のフライパンは、溶かした鋳物素材を型に流し込んで成形するケースが多いですが、黒皮鉄板は1枚の鉄板をプレスして成型します。成型時に鉄を1200度C程度に加熱し圧延する過程で酸化被膜ができ、これが赤さびを防止する役目を果たすのです。
手入れが簡単でさびにくく、衝撃にも強いという特徴があります。キャンプの焚き火だけでなく、バーベキューや自宅でも使える使い勝手のよいフライパンです。
- 商品名:ユニフレーム「ちびパン」
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ターク「クラシックフライパン」
熟練した鍛冶職人であるアルバート=カール・タークが1857年に創業して以来、変わらない製法で作られています。1枚の鉄板から打ち出される、こだわりの鍛造フライパンです。鉄の塊を高温で加熱して鍛造する、つなぎ目のない一体型のフライパンで、『100年使えるフライパン』と評価されています。
テフロン加工のフライパンと比べて熱伝導率が高く、保温性にも優れているのが特徴です。食材の持ち味を引き出して、美味しく仕上げられるでしょう。油との相性も抜群で、フライパン全体にきれいに油が馴染みます。
使用後は洗剤で洗わず、残った油分を自然に馴染ませていくと、より美味しく調理できるようになり、風合いも増していくという楽しみもあります。
- 商品名:ターク「クラシックフライパン」
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焚き火フライパンで作るおすすめ料理
キャンプやブッシュクラフトで活躍する焚き火フライパンは、工夫次第でいろいろな料理が作れます。アウトドアでも作りやすい、おすすめの料理を紹介します。
初心者なら「ソーセージ・ベーコン」
焚き火での調理は火力の調整が難しく、分厚い食材は中まで火が通る前に焦げてしまう可能性があります。そこで焚き火料理では、薄くて火の通りがよいソーセージやベーコンを焼くのが定番です。
中でも焚き火フライパンで作るなら、キャンプ料理の王道である『ベーコンエッグ』がおすすめです。油を引いた焚き火フライパンでベーコンと卵を焼くだけというシンプルな料理ですが、鉄の熱伝導によって、さらに美味しく仕上がります。焚き火フライパンで作るベーコンエッグは、大人気の朝食になるでしょう。
卵の焼き方や味つけを変えるだけでなく、トーストした食パンにチーズとハムエッグをのせるなど、豊富なバリエーションを楽しめるのも魅力です。
シェアするのも楽しい「ピザ」
ピザはオーブンがなければ作れないと思いがちですが、焚き火フライパンでも美味しく作れます。難易度もそこまで高くなく、ピザ生地を事前に作っておけば工程も簡単です。
所要時間は30分程度で、フライパンにピザ生地を敷き、好みの具材やケチャップ、チーズなどをのせて焼くだけで、華やかなキャンプピザが完成します。ワインなどと一緒に楽しむことで、大人のキャンプを演出できます。
一から挑戦するなら「ホットケーキ」
焚き火フライパンの料理では、ホットケーキもおすすめです。水と混ぜるだけで作れるホットケーキミックスを用意しておけば、荷物量も減らせます。
調理の際は焚き火フライパンを温めた後、少し冷ましてからタネを流します。焚き火フライパンのハンドル部分や高さを調節して、遠火になるようにするのが焦がさず美味しく作るコツです。火力の調整が難しい場合は、燃えている薪をどけて、熾火(おきび)になっている薪だけを使用しましょう。
焚き火で料理をする際の注意点
キャンプではオーソドックスな料理方法ですが、焚き火で調理をする場合は注意が必要です。料理を失敗しないためにも、気を付けるポイントを覚えておきましょう。
火との距離で火加減を調節
焚き火の調理では、火との距離を変えることで火加減を調節するのが基本です。焚き火の上に設置するスタンドやロストルの利用、トライポッドで上から吊るして遠火にする方法があります。
焚き火フライパンはハンドル部分を自由に調整できるので、適した大きさの木や枝を利用して、自在鉤などを作って高さを調節するのもよいでしょう。試行錯誤しながら火加減を整えていくのも、ブッシュクラフトの楽しみの一つです。
保温や弱火でじっくり火を入れたい場合は、焚き火で直接焼くのではなく、炎の横に置いてゆっくり加熱しましょう。
熾火にすることで安定した調理ができる
焚き火料理では、薪が炎を上げている状態では調理が難しいものです。上手に調理するためには、燃え上がっている炎が収まり、薪が赤々と輝いて炭のような状態になっている『熾火』がおすすめです。
炎が上がっていないので心配になりますが、非常に高温で火力も安定しています。煙も少ないので、調理に最適な状態です。
薪に着火したら一度燃やして、1時間程度して火が落ち着くのを待ちましょう。焚き火料理をする前には、まず熾火を作ると失敗しにくくなります。
自然を感じながら焚き火料理を楽しもう
焚き火料理はキャンプの醍醐味の一つなので、熱が伝わりやすい焚き火フライパンを使用して料理のクオリティーを向上させるのがおすすめです。
持ち運びが楽になるコンパクトさや高い熱伝導率という魅力があり、自分だけのフライパンに仕上げられる焚き火フライパンを購入し、料理にこだわってキャンプを楽しみましょう。