ひとつの鞘に3本の刃物が収まるという珍しい……というかおそらく唯一無二のセットである。その3本がそれぞれ個性的。大きいほうからいうと、刃長15cmの剣鉈、刃長9.5cmの豆腰鉈、刃長6.8cmのペティ型ナイフ。なかでも注目すべきは豆腰鉈だろう。腰鉈というと大きいものが多く、その重さと長さによって遠心力をきかせて扱うが、これは非常に短くて軽量。子供や女性にはこれくらいの大きさのものが扱いやすいはずだ。バトニングによって細い薪を割ったり、焚き付けを作るために薪を削ったりすることができる。剣鉈は、剣鉈として一般的な大きさ。両刃なので薪割りに使えるほか、刃先がカーブしているので包丁がわりに料理にも使うことができる。ペティナイフは刃厚が薄いので、繊細な料理に使いやすい。3本とも大きさと形が違い、使い勝手が異なるので、3本あったとしてもムダになることはないだろう。作っているのは高知県南国市のトヨクニ。伝統的な火入れ鍛造を続けている鍛冶屋であり、作りだす刃物の切れ味には定評がある。この3本も鋼を叩いて鍛え本格派だ。
土佐鍛 本格3本セット 「山人」バージョン2 30,800円