
キャンプや薪割りの快適性を激変させるナイフとは?
世界で評価される岐阜県関市の鍛治文化
鎌倉時代から700年以上に亘る伝統的な鍛治文化が今も継承されている刃物の町=岐阜県関市。KIKU KNIVES(キクナイフ)は、関の鍛治技術を継承するナイフ作家・松田菊男さんのブランドだ。日本はもとより、海外からの評価も高い。そんなキクナイフを「さばいどる かほなん」が手に入れた。そこで、早速、YouTube「さばいどるチャンネル」の撮影のためにカメラを持って山に入った。
海外からも注目される作家のナイフは1本8万円!
「今回は、このメチャメチャ切れるナイフを紹介します。このナイフは、関市に工房を持つ世界的に有名なナイフ作家・松田菊男さんが作りました。先日、工房にお邪魔する機会があり、なんと、提供していただきました。菊さん、ありがとうございます。価格は8万円ちょっと。菊さんのハンドメイドです。フリーハンドで刃先を研いだ「蛤刃(はまぐりば)」と呼ばれる、直線的ではなく、蛤の殻のように丸みがある刃先に仕上げるのが、キクナイフの特徴です。これがどれぐらい切れるのか、試してみましょう!」
かほなんは、ナイフを見ては目を輝かせてこの日のテーマを解説した。比較のために、普段使っている同じようなサイズ感のナイフを用意した。価格はおよそ8千円。アメリカ製で、使い勝手の良さからキャンパーに人気のナイフだ。今回のテストでは、紙、トマト、パイナップル、そして、薪を用意し、それぞれの切れ味を比較する。

今回テストした2本のナイフ。上は比較用に用意したサイズ感が近いナイフ。下がキクナイフの鎧竜(よろいりゅう)というモデル。
紙、トマト、そして、パイナップルでキレ味を試す
「まずはコピー用紙を切ってみましょう。比較用のナイフからいきます。刃先はきちんと研いできたけど、引っかかるような感じがあります。断面も少し、ザラザラになっていますね。刃の角度を考えないと、紙に入っていきません。次はキクナイフ。スパッ! と瞬間的に切れます。しかもスーッって最後まで力を入れずに刃が進む。なんだこの感覚は。これはヤバイな」

コツをつかむまで苦戦するかほなん。比較用のナイフで紙を切るのは、慣れが必要とか。

紙に刃を当てただけで、おもしろいようにスーッと切れる。これがキクナイフの実力だ。

右手に持つのが比較用のナイフで切った紙。左手がキクナイフ。切り口の鋭さがまるで違う。
「次はトマト。比較用のナイフは包丁のように問題なく切れますね。これに対してキクナイフは、ブレードの重さだけで下までスーッて落ちる感じ。これ、気持ちいい。そして、いよいよパイナップルを切ってみますね。昔、テレビのコマーシャルでそんなシーンを観て、一度やってみたいなと思っていました」

「ちゃんと刃を研いできました」というだけあり、トマト切りでは、比較用のナイフもさすがの実力を発揮した。

ストンッと音がして、瞬時にトマトを通過するブレード。これはすごい。

ナイフ片手に振りかぶるかほなん。さばいどる感満点のシーン!
丸太の台の上にパイナップルをセット。まずは比較用のナイフを持って、横方向に一振り。が、パイナップルは切れずに地面に落ちた。一回目は失敗。気を取り直して、二回目。
「CMみたいに気持ちよく切れないな~。でも断面はきれいに切れてますね」

比較用のナイフでチャレンジした2回目。少しだけ皮が残っていたため、切れていないように見えるが、きっちり切れていた。
続いてキクナイフ。
「お~、これこれ。スパッって気持ちよく切れました。チョ~気持ちいい。断面もメチャきれい。これはすごい!」
それにしても、躊躇なくナイフを振り下ろすかほなんの姿のかっこいいこと! 切り終わった断面を比べてみると大差はないように見える。しかし、かほなんが振り下ろしたナイフが、パイナップルを切る(通過する)速度は、明らかにキクナイフが速く、見るからにシャープな印象だった。

キクナイフは、ほとんど抵抗を感じることなくパイナップルを真っ二つに!(photo by Survidol Official)

使うほどに、そのずば抜けた切れ味に驚くかほなん。
バトニングとフェザースティック作り。キャンプを想定した薪割り比べ
「次は、キャンプの定番。薪割りとフェザースティック作りをしてみましょう。同じような大きさの薪をバトニングで割ってみます。2本ともブレードが20cm以上あり、刃の厚みもあるから、どちらもよく割れますね。最初だけ刃が入れば、あとはどちらも一瞬で割れます。これは、あまり変わらないかな。じゃ次、フェザーいきます。普段、もっと短い刃のナイフを使っているから、ちょっと扱いにくい感じはします。少し練習して慣れますね。ハイ、わかりました。では比較用のナイフから削ってみましょう。これは、削る部分が細く短い感じになりますね。ちょっと力もいるかな。これに対してキクナイフは、スーッと刃が入り、長いフェザーが気持ちよく作れます。抵抗がぜんぜんありません。無限に削りたくなるほど、スムーズできれいに刃が入りますね。これは、まったく別世界。薪作りが楽しくなります」

バトニングのテストシーン。1打目で刃が薪に入り、2打目で薪はスパッと割れる。こちらはキクナイフの1打目。

比較用のナイフでフェザースティックを作る。削った部分は細くて短い。

大きなストロークで、スーッ、スーッと気持ちよくフェザースティックが作られる。こちらはキクナイフ。
ファン必見!YouTubeの公開が楽しみなテストでした
一通りのテストを終えたかほなん。キクナイフの卓越したキレ具合に、惚れ惚れした表情を見せた。
「キクナイフ、すごいです!このナイフの刃の鋭さが、今回のテストでよくわかりました。比較した2本のナイフは、値段も違うので、一概に優劣をつけられませんが、こんなナイフもあるよーってことがわかってもらえれば、うれしいです。参考になったか? じゃ、バイバイ~イ」
エンディングを撮り終え、カメラを止め、ホッと一息するかほなん。再びパイナップルの断面を見ては興奮を隠しきれない様子で、切った瞬間の手応えを語っていた。今回、テストに使ったパイナップルは、撮影終了後、そのままカットして美味しそうに食べていた。少しおすそ分けしていただいたが、スパッと切られた断面の食感が良く、ジューシーで美味しかったです。そして、残ったパイナップルやトマトも持参した保存容器に入れてお持ち帰り。さすがです!
今後公開予定のYouTubeさばいどるチャネルで、かほなんのパイナップル切りを見られる日が今から楽しみでならない。皆様もぜひチェックを。
商品情報
KIKU KNIVES
http://kikuknives.jp/
構成:山本修二
●お知らせ
この記事の様子を収録したド迫力のムービーが「さばいどるチャンネル」で公開されました! ぜひご覧ください。(2020年5月25日追記)