製造期間わずか6か月といわれる幻のランタン。そんな激レアモデルの特徴や、誕生の背景をお教えしちゃいます!
ベンチレーターは赤
200Aになる前のモデルナンバー200で、初めて赤い琺瑯のベンチレーターを採用。クリスマスランタンはその後継モデルということで、赤いベンチレーターを流用。
グローブ(ホヤ)には サンシャインロゴ
1950年代前半まではサンシャインロゴがプリントされていた。PYREX®は反対側に印刷。
プレート(グローブの受け皿)は ブラックまたはシルバー
現存するものには圧倒的にシルバーが多い。黒いプレートのものは極めてまれに出回ることもある。
カラーは鉄製
クリスマスランタンの時代は鉄製だが、のちに200A のカラーはアルミに変わる。
タンクが真鍮から鉄製に!!
モデルナンバー200は、クロムメッキされた真鍮のタンクだった。それが鉄製に変わり、「200A」が生まれた。
製造期間はわずか6か月!?
タンクの底に製造年月が刻印されていて左が月で右が製造年(1940年代製品をのぞく)。これは1951年9月製造。
お馴染みのロゴが初めて登場!
1951年の後期モデルには、タンクにお馴染みのロゴマークが貼られている。後ろ側にはサンシャインロゴの刻印もある。
監修者・石角直樹さんに聞いた!コールマン「200A」にはランタンの魅力が凝縮されている
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赤いヘッドに緑のタンク。クリスマスカラーが特徴のモデルナンバー「200A」。あれ!? 200Aといえば、「赤ランタン」の愛称で親しまれるモデルと同じ品番だ。なぜ、このカラーリングになったのだろう?
石角さん「 200Aの前身は、赤いベンチレーターに、クロムメッキ加工を施された真鍮製のタンクだったモデルナンバー200。200Aでは、タンクが真鍮から鉄製に、塗装が緑に変わりました。コールマンでは、何かを改良したら品番にA→B→Cとつけるというルールがある。つまり200Aは200の改良版という意味なんです。また、コールマンはモデルが変わる際、その前のモデルのパーツを流用することが多いんです。赤いベンチレーターと丸みを帯びたグローブは200、緑色の塗装は、同時期に売られていたランタン『242C』や、『220』、『228』と同じ塗料を使ったためだと思われます 」
赤ランタンは1952年から登場したが、タンクの塗装が変わっただけで性能に変化がないので、品番は200Aのままというわけだ。でもなぜ、タンクが赤になったのだろう?
石角さん「 タンクも赤く塗装しちゃおうくらいのノリで、深い意味はないと思います。そのあたり、けっこうラフなんです(笑)」
クリスマスランタンは、ロングセラーの赤ランタンが世に出るまでの引き継ぎ役として登場した、幻のモデルなのだ。
石角さん「 生産台数は不明ですが、最近の調査で、1951年の4月から12月、正確には4、6、8、9、11、12月に生産されていた可能性が高いことがわかりました。生産期間はわずか6か月。本当にレアで、店にも在庫がありません。前期と後期で微妙に異なりますが、付録のMiniランタンは後期タイプになります 」
66年も前のモデルだが、メンテナンスをすれば今でも現役で使用できるという。
石角さん「 コールマンのランタンは、けっこう大雑把に作られていますが、すっごく頑丈なんです。構造も100年前から変わっていません。パーツも50個くらいしかないので、修理するときも部品を流用しやすいんです。とくにオールドコールマン製品はパーツが真鍮製なので、磨けば今でも使えます。自分と同い年の使用可能なランタンを探すのも難しくありません。これが車だとそうはいきませんからね 」
現行モデルと違って、一台一台にクセがあるのも魅力だ。
石角さん「 とくに200Aは、ひとすじ縄ではいきません。見た目のかわいらしさとは裏腹に、難しいランタンなんです。特徴を把握して、ねじふせて使いこなすのがたまりません~(笑)」
こんなオールドランタンも人気です!
ウィチタ州立大学 ロゴ入り特別モデル
1905年にコールマンのランプがウィチタ州立大学のフットボールの試合で使われた。1995年に再現試合が行なわれたが、その際に使われたランタン。超激レア。価格はASK。
1925年5月製造!グローブは雲母製
LQ427。このモデル以前はタンクとポンプが別々だったが、はじめてビルドインポンプ仕様になった。グローブはガラス製ではなく雲母製だ。1925年5月製。¥80,000。
推定1930年代のテーブルランプ
132A。1930年代のテーブルランプ。オリジナルのシェードにはクジャクが1羽または3羽描かれている。2羽は模造品だ。こちらのシェードはオリジナル。¥100,000。
※構成/松村由美子 撮影/中村文隆