軽量かつ、燃料も手に入りやすいことから、登山者やバックパッカーに人気のアルコールストーブ(アルスト・アルコールバーナーとも)。アルコールストーブで調理をする場合は、基本的にゴトク(五徳)が必要だ。
ゴトクとは、バーナー(炎孔)部に直接クッカーが当たらないよう、空間を作るもの。言わば調理用の脚。これがないと炎孔に直接調理器具が触れてしまい、火を消してしまうことになる。
ほとんどのゴトクはアルコールストーブメーカー各社が用意しているオプション品。基本的にはアルコールストーブと同じメーカーのものを選ぶようにしたい。だが、アルコールストーブメーカー以外からもゴトクが販売されており、サイズや材質、使い方がユニークなものも。サイズが合うのであれば、それらを選択するのも当然アリだろう。とは言え、買った後に「合わなかった…」ということがないように、前もって調べておきたい。
ここでは、人気のゴトクを徹底的にピックアップした。いづれも名だたるブランドばかりなので、安心して選べるはず。たかがゴトク、されどゴトク。同じゴトクでも重量や材質、機能が全然違う。自分のスタイルに合ったものをチョイスしよう。
トランギア / trangia
トライアングルグリッド2型
スウェーデンの老舗ブランド「トランギア(Trangia)」。同社が販売する「トランギア アルコールストーブ」用のオプション品は豊富で、ゴトクだけでもいくつか種類がある。「トライアングルグリッド2型」は3枚のステンレスプレートを組み合わせて使うタイプ。本体を収納するケース付きで、重量は58gだ。
トランギア / trangia
ゴトク TR-281
トランギアのアルミ製ゴトク。トランギア アルコールバーナーを中に入れるだけ、というとてもシンプルなスタイル。同社のケトルやクッカーに収納することができる。
サイズ:97mm×63mm。重量:50g
トランギア / trangia
ゴトク T3
トランギアのステンレス製ゴトク。132mm×100mmのサイズは外からの風を遮り、クッカーの安定感も上々だ。ハードなロケーションや、中型のクッカー・コッヘルなどを使いたい場合に向いている。重量は99.5g。固定リングと収納袋付き。
エスビット / Esbit
ステンレスストーブ CS75S
ドイツの「エスビット(Esbit)」が手掛けるアルコールストーブ用ゴトク。ステンレス製で、サイズは10mm×100mm×120mm(収納時)。風防も兼ねた大型サイズながら、サイズは93gと軽量クラス。薄く仕舞えて、大きく使える。安心サイズのゴトクだ。収納袋付き。
エバニュー / EVERNEW
チタンゴトク TriveTi
日本を代表するアルコールストーブメーカー、「エバニュー(EVERNEW) 」のゴトク。2枚のチタンプレートを十字に組み合わせて、アルコールストーブの上に置いて使用する。厚さ1mm。外径は81mm×40mm。重量13gと、小型軽量だ。
エバニュー / EVERNEW
ALストーブ用チタン十字ゴトク
チタンプレートを十字に組み合わせるエバニューの「ALストーブ用チタン十字ゴトク」。サイズは96mm×28mm。質量は16g。シンプルな構造ながら、クッカーを置いたときの安定感は十分なほど。コンパクトに収納できるので持ち運びも楽。サイズが合えば、他のアルコールストーブにも(購入前に必ず確認を)。
ベルモント / Belmont
チタントライアングルストーブ
新潟県三条市のアウトドアメーカー、ベルモントのアルコールストーブ用ゴトク。素材はチタン。使用時のサイズは130mm×75mmで、収納時は130mm×75mm×4mmと薄く、コンパクトに持ち運べる。ステンレス製もあり。
笑’s / sho’s
バーナーゴトク H-80
人気アウトドアメーカー「笑’s(sho’s)」のアルコールストーブ用ゴトク。0.5mm厚のステンレスプレートを3枚組み合わせて使用する。使用可能なアルコールストーブの本体径(底面)は約70mmまで。外直径(ツバの部分)は約75mmまでのもの。ゴトク自体の重さは約57g。風防としての役目もバッチリだ。
エムジートレイル / MG TRAIL
組立式汎用ゴトクMGT-FWG001
キャンプツーリング用品専門店「エムジートレイル(MG TRAIL)」のオリジナルゴトク。プレートの厚さは1.2mm/1.5mm。組み立て時は104mmの高さになる。何より独特の形状が目をひく。専用ケース付き。
重量:160g
ミュニーク / MUNIEQ
エックスメッシュストーブ
X-MESH STOVE
クラウドファンディング発、シンプルでコンパクトなアウトドア用品を手掛ける「ミュニーク(MUNIEQ)」の風防兼アルコールストーブ用ゴトク。厚さ0.2mmのステンレス製マイクロメッシュのシートをまるめて固定し、アルコールストーブの上に重ねて使用する。マイクロメッシュに施された無数の孔により、風は通さずに中の炎が見えるのが特徴だ。2個つなげて使用することもできる。
サイズ:62mm×67mm。重量:14g。
タトンカ / TATONKA
アルコールバーナースタンド
Alcohol Burner Stand
ドイツ生まれのアウトドアブランド「タトンカ(TATONKA)」のステンレス製ゴトク。日本ではタープのイメージが強いタトンカだが、本国では登山道具やウエア、各種キャンプ道具なども販売しているアウトドア総合メーカー。この「Alcohol Burner Stand」もそんなタトンカブランドのひとつ。中央のリング径が75mm×45mmで、サイズが合えば他アルコールストーブでも利用可能だ。
重量:92g。
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ミュニーク/エックスメッシュストーブ
この写真をみて、おっ! と思った人はアルコールストーブ愛好者です
アルコールストーブに必要なのが「ゴトク(五徳とも)」。コッヘルやシェラカップを載せる、言わば“脚”で、これがないとアルコールストーブの上にモノを載せたときに、火が消えてしまいます。なぜなら、炎孔を防いでしまうから。
さらに、アルコールストーブであると便利なのが「風防」。アルコールストーブは風の影響をもろに受けるので、安定した状態を保つには風防が必要です。
アルストにゴトクに風防って…揃えるものが多い
アルコールストーブは安くてコンパクトで、なおかつ軽い、と思われがちですが、アルコールストーブ本体にゴトクや風防などを揃えたら、価格も重量もそれなりにします。なによりパーツが増えるので忘れてしまうし、そもそも失くしてしまう…なんてことも。
そこで、「どれだけコンパクトで使い勝手が良いゴトクや風防を見つけるか」が、アルスト愛好者(アルコールストーブ愛好者)共通の話題にもなっています。このアルコールストーブと、このゴトクの組み合わせがすばらしい、とか。自作する人も多いですね。
MUNIEQのX-MESH STOVEが全部解決します
そんなアルスト愛好者たちから注目を集めているのが、MUNIEQ(ミュニーク)の「X-MESH STOVE(XMS-01S)」です。
このX-MESH STOVE、アルコールストーブのゴトクと風防をこれひとつで兼ねるすぐれもの。ステンレス製マイクロメッシュのシート(厚さ0.2mm)をまるめて固定し、アルコールストーブの上に重ねて使用します。
マイクロメッシュに施された無数の孔により、風は通さずに中の炎が見えます。耐荷重は1kgまでOKなので、コッヘルでお湯を沸かすことも問題ナシ。それでいて重量はわずが15g! というウルトラライトな製品です。
組み立て簡単、丸めてフックをスリットに入れるだけ
YouTubeで「風の影響を受けないX-MESH STOVE」動画をご覧あれ
実際に小型扇風機(簡易的なもの)で風を送り込んでみたところ、X-MESH STOVEで覆われている部分は、炎が暴れることはありませんでした※少々ピントが甘いですが、製品のスゴさは見てとれます。
※アルコールストーブの形状によっては、使用できないものもあります。
◎構成・撮影/早坂英之
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