アウトドアライターのホーボージュンが、今イチオシのウッドストーブを紹介します。
焚き火好きの僕が最近はまっているのが米国テキサス生まれの「ソロストーブ」。小枝や松ぼっくりなどを燃料にするいわゆるウッドバーニングストーブなのだが、そのサイズからは想像できないほど火力が強いのだ。その秘密は二重構造による“二次燃焼システム”にある。
じつは小枝や薪が燃えるときに立ち上る白煙には、さまざまな可燃性物質やガスが残っている。それをしっかり燃やして完全燃焼を促そうという作戦である。
そのしくみを説明しよう。まず内筒内の燃焼室に薪などをセットし火をつける。すると二重底の底部にある吸気口から空気が入り込んで、薪が燃えだす。この状態が“一次燃焼”だ。
やがてストーブ本体が暖まってくると内壁と外壁のあいだの空気が高温になり、チムニー効果で上昇気流を生みだす。すると吸気口から新鮮な空気がどんどん吸い込まれ薪はさらに勢い良く燃えていく。そして上部の吹き出し口から熱風が未燃焼ガスに吹きつけられ、超高温の二次燃焼が始まるのだ。
気温やくべる燃料によって変わるが、カップ2杯分の水を沸かすのに10分とかからない。
季節は晩秋から初冬へと移り変わった。この冬はこいつで小さな焚き火を愉しんでみよう。
ソロ ストーブ/ソロ ストーブ solo stove Solo Stove
小枝や松ぼっくりなどを燃料とするウッドストーブ。特許取得の独自構造により二次燃焼を誘発し、高い燃焼効率を誇る。薪がないときや荒天時には写真のようにアルコールバーナーを入れて使うこともできる。災害時にも非常に有効だ。¥8,000
問い合わせ先/アンプラージュインターナショナル
TEL072(728)2781
撮影/中村文隆