キャンプ場に到着してさっそく自分の居場所をつくりはじめたものの、「あれ?ペグが足りない…」「ペグを忘れた…」なんていうことはありませんか?キャンプあるあるともいうべきこの事態。ペグが足りなければ、そう、つくってしまえばいいんです!一番簡単なのが、キャンプ場に落ちている木の枝を活用してペグをつくる方法です。これから、2回にわたって「TYPE A」、「TYPE B」と2種類の作り方をお伝えしていきます。まずはまっすぐの枝からつくるペグ「TYPE A」の紹介です。
素材の選び方
キャンプ場には、たくさんの”素材”である木の枝がたくさん落ちています。「無ければつくる」の精神で、素材を見つけ、ささっとスマートにペグをつくってしまおう!素材探しのポイントは、次の4点です。
① 素材を拾って使ってもいいか、キャンプ場に確認をする(フィールドのルールを守る)
② 腐っていたり、すぐに折れる枝は避ける
③ ペグを使う用途に合わせて枝の太さを考える
④ なるべく長めの枝を探す
使う道具
ブッシュクラフト的につくること自体を楽しむなら、ナイフ1本で挑戦するのもおすすめです。もしも手早くささっとつくりたい場合は、ノコギリも率先して使う方が効率が格段に上がります。今回使ったのは、ブレード、ノコギリがついているビクトリノックスのナイフ。道具は問わないので自分の手持ちのアイテムで自由につくろう!
枝のペグ”TYPE A” のつくりかた
1:枝から素材を切り出す
まずはペグをつくるための素材の切り出しです。TYPE Aのペグをつくるには、拾った枝の中からなるべく丈夫でまっすぐな部分を切り出します。切り出す際は、あとの加工なども考慮して必要な長さよりも10cm程度長めに切り出すのがポイント。
2:加工イメージを想像する
まっすぐな枝を切り出したら、素材を見ながら最終的な加工イメージを先にしておきます。TYPE Aの場合は、写真の様に適度な長さに切り、地面に刺す部分、張り綱を引っかける部分を切り出して完成になります。こまかい作り方は次の「3」から紹介します。
3:素材を必要な長さに切る
素材を必要なペグの長さに切り出します。木の太さや強度にもよりますが、長さを決める際は「使いたいペグの長さ+3cm程度」で算出して切り出します。もしも必要本数が分かっている場合は、一気にその本数分切り出しておきます。ポイントは、「木に逆らわない」こと。木の枝に完璧な直線はないし、同じ太さ、同じ曲がりの木を見付けるのは困難です。自然素材を使うので、そのままの枝をどう活用するのか?を考えながら切り出していこう。
4:地面に刺す側を削り出す
ペグが地面に刺さりやすくなるように、枝先を鉛筆のように削り出します。丁寧に、綺麗に削る必要はありませんが、なるべく枝先の360度全体を削り、円錐の様な形に削るとまっすぐと地面に刺さってくれます。面倒くさがって片面だけ鋭く削るなどをすると、差し込む際に位置がずれてしまうので注意。
5:張り綱を引っかける部分を削り出す
ペグとして機能させるには、差し込んだペグにしっかりと張り綱が引っかかることが重要です。これがないと、強風などで張り綱がペグから滑り、簡単にはずれてしまいます。この部分の加工は次の通りです。
①ノコギリで切り込みを入れる
素材の枝の太さにもよりますが、枝の端から2〜3cm程度のところに、枝の太さの半分くらいまで切り込みを入れます。この際も、ノコギリを使うと効率が格段によくなります。枝が細い場合や、張り綱が細くて引っかかりが浅くても問題無い場合は、ナイフだけで切り込みを入れることも可能です。
②切り込みに対して斜めにナイフで削る
「①」で入れた切り込みに向かって、枝端の反対側1〜2cm下から斜めに切り込み方向に向かって削っていきます。イメージとしては、「①」の切り込みがストッパーになるようにナイフの刃を進めていく感じです。この切り込みが張り綱が引っかかる部分になるので、張り綱の太さに合わせて深さを調整していきます。
6:ペグの”頭”を削り出す
この工程は、枝が太いとより重要な作業になります。削り方は、枝端の中心が一番高くなるような半球状に削ること。こうすることで、ペグをハンマーや石などで叩き入れた際にペグの中心にしっかりと力が伝わり、まっすぐとペグが刺さりやすくなります。
完成!
慣れれば細い枝なら1本3分もあればつくれちゃいます。1〜2本程度なら、管理棟に行ってペグを購入して帰ってくるまでにつくれちゃいますよ!製作工程は簡単なのに、すぐに役立つペグは完成後の達成感は最高です。ぜひチャレンジしてみてください!
次回はペグ「TYPE B」を紹介します。