2018年8月1日、静岡県河津町に体感型のカエル専門施設『KawaZoo』がオープン。2012年に登場した爬虫類専門の体感型動物園『iZoo』の姉妹館で、モリアオガエルなど、日本国内に生息するカエルから、世界最大のゴライアスガエルや、モリアオガエル色鮮やかなヤドクガエルまで、120種類以上、2,000匹のカエルを見ることができる。そんな注目の施設を、刃中両生類・恐竜研究家の富田京一さんと見学してきましたよ~。
河津町の新たな観光スポットとして注目を集めている。
富田京一さんこと〝富ちゃん“。「お久ぶりで~す」。
9割は室内なので、雨の日の見学も安心!
9割は室内展示。冷房のきいた空間でじっくり観察ができるのもうれしい。一部のカエルは屋外で飼育展示されていて、年間を通じて野生の姿を観察できる。自然光のもとで元気に動き回る姿に心が和む。
飼育水槽がズラリ。カエルを間近で観察できる。
数種類を同時に展示する水槽もある。どこにいるのかな~♪ 探すのが楽しい。
世界の珍しいカエルが勢揃い!
KawaZoo で飼育・展示されているかわいこちゃんを、富ちゃんのひとことコメント付きで、少しだけ紹介しま~す!
アカトマトガエル
「とにかく赤いのが取り柄。絶滅が危ぶまれて売買が禁止されてたけど、近年ようやく解禁。個体数が少し回復したそうで、よかったよかった!!」
チョウセンスズガエル
「皮膚から毒性の強い物質を出して身を守ってる。しつこい敵には、仰向けになって赤い腹面を見せ、それを誇示するんだ」
アフリカウシガエル
「カエルはメスのほうが大きくなるのが基本だけど、このカエルはオスのほうが巨大で体長25cm・体重1.4kgにもなる。オスは子煩悩なことでも有名だ」
コバルトヤドクガエル
「眼を見張るような色彩とはまさにコレのことだと思ってる。このカエルも父親の子煩悩さでマニアにはよく知られている」
アカメアマガエル
「真っ赤な目玉と青いわき腹の絶大なインパクト故か、最も図案化されているであろうカエル。昼間縮こまって寝ている姿と、夜の溌剌とした姿の落差も面白いよ」
マネシヤドクガエル
「小粒揃いのヤドクガエルのなかでも本種はとりわけ小さく(体長1.7cm)、一円玉にもらくらく乗っちゃう。こんな小っこい動物が夫婦で子育てするってところが健気でいいよね」
ラマシーヤドクガエル(ドウケヤドクガエル)
「これも小っこくて(体長1.8cm)かわいいが、1回に2個しか産卵しないので、飼育下ではなかなか繁殖が軌道に乗らず、レア物になっている」
ミスジヤドクガエル
「体長は最大で5cmと、この仲間としては大きくなるほうだ。南アメリカに広く分布しているので、ヤドクガエルとしては古くからなじみのある種類」
ズアカヤドクガエル
「ド派手な色彩だけど、分布が重なるところでは親類のマネシヤドクガエルに「擬態」されているという、なんだか悲運な存在だ」
世界最大のゴライアスガエルを探そう!
おもに西アフリカの森に生息するカエルを飼育している部屋では、カエルたちが放し飼いになっていて、ぎりぎりまで近づいて観察できる。世界最大のカエル、ゴライアスガエル(別名ゴリアテガエル)も隠れているので、探してみよう! ただし、カエルは身を守るために皮膚に毒を持っていたり、人間の体温で弱ってしまう場合もあるので、触るのはNGデス。
ゴライアスガエルはジャンプ力があり、2m近くも飛ぶことができるとか。この日は奥深くに隠れていて、撮影できなかった(泣)。
中庭には田んぼを再現。日本のカエルもいますよ~!
田んぼの中には、さまざまな日本のカエルを放し飼い。その田んぼを囲むようにレイアウトされた水槽では、サドガエル、モリアオガエル、モリアオガエル、ハナサキガエル、リュウキュウカジカガエルなどを展示している。
8月31日まで、写真家・松橋利光さんの『カエル白バック写真展』も開催中!「僕が作ったカエルの絵本や図鑑も置いてあります。ぜひ、見に来てくださいね~」
売店ではカエルグッズがズラリ~。オリジナルのお菓子などもあり、充実の品揃え。
館長の白輪剛史さん(左)と富ちゃん。白輪さんは爬虫類研究家。爬虫類・両生類に対する愛情は富ちゃんに負けず劣らず強い!
カエル愛にあふれる館内を歩き、夢中でカエルを探しているうちに、日常の煩わしさもどこへやら。なんだか頭がスッキリしてきた。みなさんも、カエルに癒されにいきませんか?
【体験型カエル館 KawaZoo】
住所:静岡県賀茂郡河津町梨本377-1
TEL:0558(36)3990
営業時間:10:00~16:30(最終入館16:00) 年中無休
入館料:大人(中学生以上) 1,000円、子供(小学生)500円、幼児(6歳未満)無料i
*iZoo KawaZoo 共通入園・入館料は、大人2,500円、子供1,000円。 http://www.kawazoo.jp/
◎構成・撮影/松村由美子