野の花、庭の花、お花屋さんの花。ご自宅でかんたんに、白い花を染めてみませんか?
夏休みといえば、頭を悩ませる子どもの「自由研究」。家族で楽しめて、センスが良く、人とかぶらない。そんなテーマとして使えるのが、花の染色です。
100均のプリンターインクを使って、切り花をカラフルに染める方法をご紹介します。
専用の切り花染色剤がなくてもできる
専用の切り花染色剤は、カラーバリエーションがとても豊富で、扱いやすいものです。でも入手のしやすさやお値段を考えると、なかなか購入しにくいという一面も。
100均で売られているプリンターインクは、安価で手に入りやすく、花をしっかり染めることができる優秀アイテムです。
「少しだけ試してみたい」人や「子どもの自由研究に使いたい」人には、うってつけ。マゼンタ・シアン・イエローの3色がそろえば十分に楽しめますので、気軽に挑戦してみましょう。
材料をそろえよう
まず、染めるための花を選びましょう。「水色に染めたい」のに赤い花を持ってきては、うまくいきません。染色に使う花は、白いものを選びます。
花の種類はたくさんあります。野の花をつんでもいいですし、お花屋さんで好きな花を選んでみるのもいいですね。形や大きさは、どんなものでも大丈夫。1種類だけでも色の違いがよく分かって楽しいですし、数種類染めて比べてみるのも面白いです。
材料
・100均のプリンターインク(カラーはお好みで)
・花瓶やビン、透明なプラスチックコップなど(染めたい色の数だけ用意する)
・白い花(なんでもOK)
※マストではありませんが、以下も用意すると◎
・使い捨てポリ手袋(インクが手につかないようにするため)
・木箱や紙箱(インクを入れたコップやビンを、倒れないように固定するため)
・汚れてもいい服やエプロン(うっかりインクで汚してしまうのをふせぐため)
・新聞紙(作業中、汚れ防止の敷紙にする)
染色の手順
準備ができたら、実際に花を染めていきましょう。うっかり手や服を汚さないよう、インクの取扱いには十分注意してくださいね。
プリンターインクには、透明なキャップとカラーのキャップがついています。これを両方外すのですが、液の入っている部分を握りすぎると、開封の際にインクが飛び散ります。心配な場合は、手袋や新聞紙などを使いましょう。容器に移したあとは、箱などにいれて倒れないようにするのがおすすめです。
染色の手順
1.プリンターインクを開封し、インクについているキャップを外す。
2.インクをプラスチックコップや、ビンなどに移しかえる。
3.(できれば、色水を入れた容器に、ふせんやシールなどで色の種類を貼っておく)
4.インクの2倍程度まで水を加える。
5.染める花の茎を、容器の長さに合わせてハサミでカットする。
6.切った花を色水の入った容器に入れ、色づくのを待つ。
7.30分~24時間ほどかけて染まっていくので、好きなタイミングで色水からあげる。
8.流水でインクを流し、一番下の茎部分をハサミで少し切り落とし、水を入れた花瓶などに飾る(完成!)。
花びらが色づくことで、細かい花脈がよく分かるようになります。茎の切り口を見ると、どこから水を吸い上げているのかも分かりますね。
染めた花はただ飾るだけでなく、押し花やハーバリウム、ドライフラワーに加工しても楽しむことができます。
色水の吸い上げがいいと、花はすぐに染まってきます。こちらのガーベラは短く切りあげたせいか、とても早く染まってきました。薄く色づいているときは、まるで紙でできた花のように見えます。
切り花染色のよくあるQ&A
Q1.どんな花でも染まるの?
すぐに色づく花、染まりにくい花、種類によって違いがあります。私が試したとき、お花屋さんの花では、ガーベラはすぐに染まりましたが、カラーはなかなか染まりませんでした。かすみ草は失敗がほとんどないので、おすすめです。
Q2.どのくらいの時間染めればいいの?
気温や花の水あげぐあいによって、時間は左右されます。早い花は10分ほどで薄く染まりはじめ、遅い花では24時間ほどかかることもあります。花の様子を見ながら、好きな色に染まるのを待ちましょう。
Q3.インクが少ないから、もっと水を足したい。
今回は2倍に薄める方法をご紹介しましたが、3倍程度でも染まると思います。薄めすぎると色も薄づきになります。3倍、4倍など濃度を変えて、変化を観察してみるのも面白いですね。
Q4.専用の切り花染色剤は、もっと色が多いの?
切り花染色剤を販売しているメーカーはいくつかあります。カラーバリエーションは大変豊富で、混ぜ合わせて、さらに自分好みのを色を作ることもできます。本格的に染色されたい方におすすめです。
Q5. 余ったインクや染色剤は、水に流して捨てていいの?
残ったインクや染色剤は、布やティッシュに吸い込ませて、可燃ゴミとして捨てましょう。
Q6. プリンターのインク以外では染められない? 絵の具でも色がつく?
万年筆のインクや、食紅でも色はつけられます。絵の具の粒子は大きく、植物の道管を通ることができないため、お花に色をつけることはできません。
もっと楽しめる方法を見つけられるかも?
花が色水で染められると知ると、子どもは色々なもので試してみたくなります。私の娘は、冷蔵庫からかき氷のシロップを持ってきてしまいました。
そしてどの子も高確率で、「絵の具でも染まるよね?」と思うようです。
絵の具で花を染めることはできないのですが、その答えを自分で見つけられることは、かけがえのない体験になります。
「どうしてうまくいかなかったんだろう?」の疑問には、茎や花、葉の仕組みなどを説明して、一緒に考えてあげるといいですね。
花びら以外にも、染色液が通るところは染まっていきます。花の種類にもよりますが、もともと緑だった葉や茎が、不思議な色に変わることも。子どもと一緒に、細かいところまで観察してみましょう。
おうちで自然に親しめる、花の染色。夏だけでなく、季節を通して遊べますので、「面白そう!」と思ったら、ぜひその気持ちのままに家族で楽しんでみてくださいね。