プロバードウォッチャーの♪鳥くんが、里山歩きやトレッキングなどでよく見かける15類をピックアップ。警戒心があり、草の中や森を好むものや小型種も多いので、Youtubeなどで鳴き声を予習してから出かけよう!
南方から春を運ぶ渡り鳥
ツバメ
スズメ目ツバメ科
全長:17~18㎝(スズメより大)
夏鳥として北海道南部以南に渡来。市街地、農耕地、人家周辺に多い。人家の軒下などに、泥と枯草に唾液を混ぜて巣を作る。家の構造が変わったり、巣を壊す人が増えてきたため、
数が減っている。1シーズンで3~4回産卵。
春先、人里でさえずりの練習をする!
ウグイス
スズメ目ウグイス科
全長:14~16㎝(スズメ大)
全国に分布するが、北海道では夏に見られる。平地から山林の林のヤブの中をちょこまか移動するため、姿を見ることは難しい。冬は市街地の公園にもやってくる。いわゆる"ウグイス色"はメジロの色で、じつは全身茶褐色。
さえずりながら長時間、飛翔する。
ヒバリ
スズメ目ヒバリ科
全長:17㎝(スズメより大)
全国に分布。本州北部以北のものは冬に南下する。草地、河川敷、草原、農耕地などで見られ、地面を歩きながら草の種子や昆虫を食べる。春の繁殖期にはオスは空高く舞い上がりながらさえずり、なわばりを宣言する。
黄色いクチバシと黒頭巾が特徴
イカル
スズメ目アトリ科
全長:23㎝(ムクドリ大)
全国に分布し、北方のものは冬期、暖地に移動する。低山帯の林で見られるが、冬には小群を作り、市街地の公園などにも飛来する。文鳥のような太いクチバシで木の実を割って食べる。「聞きなし」を覚えておくと見つけやすい。
意外にも、頬はあまり白くない!?
ホオジロ
スズメ目ホオジロ科
全長:16.5㎝(スズメ大)
鹿児島県以北に分布し、北方のものは冬、暖地に移動。里山の林縁部の農耕地や河川敷など、やや開けた環境を好む。春から秋は木のてっぺんや電線に止まり、上を向いてさえずる。名前の由来の頬の白は面積が狭く、名前負け!?
丸っこい体と長い尾が特徴
エナガ
スズメ目エナガ科
全長:13㎝(スズメより小)九州以北に分布し、平地から山地の林などで見られる。10羽前後の群れでオスが鳴き交わしながら移動する。冬はエナガやカラ類などはひとつの群れを作る(混群)。近年、都市部の大きな街路樹に少しずつ進出中。
木の枝に止まって長い尾を振る
モズ
スズメ目モズ科
全長:19~20㎝(スズメより大)
全国に分布。平地から山地の明るい林、農耕地、人里、河川敷などで見られる。肉食で、エサが豊富な時期には有刺鉄線などにバッタやカエルを突き刺して貯食する(はやにえ)。秋に目立つ場所で鳴き、なわばり宣言(高鳴き)をする。
パッチワークのような柄がかわいい!
ヤマガラ
スズメ目シジュウカラ科
全長:15㎝(スズメ大)
小笠原諸島を除く全国に分布。平地から山地の常緑広葉樹林、落葉樹林で見られる。クヌギやコナラが生える広い雑木林があれば都市部でも観察可能。ドングリが好物で貯食する習性がある。動きや行動はシジュウカラによく似る。
♪鳥くん
プロ・バードウォッチャー。
野鳥関連書籍の執筆、イラスト、講演などのほか、ツアーガイドなどとしても活躍。元作詞・作曲家で、合言葉は「ROCK&BIRD」。著書に『♪鳥くんの比べて識別! ! 野鳥図鑑670』(文一総合出版)など。
構成/松村由美子 撮影/小倉雄一郎(♪鳥くん) 写真・イラスト/♪鳥くん(鳥)