「日本野鳥の会」をご存じでしょうか? と質問すると、「ああ、あの年末の歌合戦で紅白の票をカチカチ数えている人たちでしょう」と、そんな声が聞こえてきます。私も最初は、バードウォッチング好きの方々の集まり?くらいの知識しかなかったので、実際どんな活動をしているのか知りたいと興味を持ちました。とはいえ、野鳥の会会員でもない私が参加できるイベントはあるのでしょうか?
どうやら、誰でも参加できる「探鳥会(バードウォッチングの会)」を全国各地で開催しているようです。都内在住の筆者が参加しやすいのは…「日本野鳥の会 東京」で毎月開催している「明治神宮探鳥会」。持ち物は飲み物、雨具に観察道具(無くても可)。つまり、ほぼお散歩感覚で参加できるようです。しかし、観光客でいっぱいの神宮で野鳥観察なんてできるのでしょうか。
朝8時半集合。時間になると日本野鳥の会東京のリーダーたちが数名前に出て挨拶と説明が始まりました。「この明治神宮探鳥会は日本野鳥の会の探鳥会の中で一番古く1947年から続いています。探鳥会を通じて身近な生き物がいること、生態の面白さを知ってもらい、生き物たちを大切に感じてもらえたらと思います」。リーダーたちは性別も世代もさまざま。これを生業としているわけではなく有志の集まりです。野鳥のことが好きで、「見て、知って、守る」活動をされている方々とのこと。この自然との触れ合いを広めて一緒に楽しむため、こうして探鳥会を開催しています。
出発前、リーダーの女性が葉っぱを拾って「香りがしますよ」、と教えてくれました。見れば秋でもないのにずいぶんと落葉していますね。「4月から5月はクスノキの落葉の時季なんですよ」。うーん、スッとする香り。まさにクスノキ(樟)、樟脳の香りですね。