まったくの初心者が、カヤックフィッシングに挑むもようをリアルにレポートするこの連載。第8回は、ルアーで青物を狙ってみました。
カヤックでの釣りは、ルアーフィッシングが向いているという。キスでやったように餌釣りもできなくはないが、こまめに餌を付け替えなければいけないし、餌を付けている間、周囲への注意が怠りがちになるため、気がついたら定置網のそばまで流されていた、なんてことになりかねない。その点、ルアーは投げて巻くの繰り返しなので、動作が少なくて済む。
そんな理由はさておき、私は最初からルアーフィッシングがしたかった。餌釣りで小さい魚を狙いより、ルアーで大物と勝負したかったのだ。そして今回は念願叶って青物を狙いに行くことになった。青物とは、サバやイナダ、ワカシ、ブリ、カンパチなどの総称で、ヒットすると強烈な力で走る特徴がある。
岸から狙えないこともないが確率は低く、私はまだ一度も釣ったことがない。しかし、カヤックなら沖に出られるので、狙えば釣れるかもしれない。そんな期待を抱いて、小雨降るなか海へ出た。いざ、勝負のとき。沖へ出るにつれ、ドキドキしてくる。
沼野さんによれば、青物の狙い方は大きく分けて2つ。ひとつは「目で見る釣り」で、大物に追われた小魚の群れが水面でバシャバシャと跳ねる状態(ナブラ)を見つけ、そこに向かってルアーをキャストする、通称「ナブラ打ち」。そのためには常に海面を遠くまで注意深く見渡す必要がある。