長い自粛期間が開けたいまこそ、静かな山をのんびりと歩きにでかけましょう。低山を歩くときに必要なものは? 初心者におすすめの低くて楽しい山は? 山歩きの達人に、道具の選び方と低山の楽しみ方を教わりました。おすすめの低山も5つご案内します。
石坂 修さん(51歳):『好日山荘 池袋西口店』 店長。東京都杉並区生まれ。『好日山荘』に30年勤務。汗冷えを防ぐため、山歩きの服は化繊素材が基本。フォレストワードローブの「イグズィラレイションSSシャツ」7480円、同社の九分丈パンツ「4ウェイストレッチアンクルパンツ」9680円。立山や富士山のような高山の場合には、休憩時にフリースやダウンなどの防寒着を雨具の下に着る。
持ち物の基本は「靴」「バックパック」「雨具」
全国に54店舗を展開する登山・アウトドア用品販売店『好日山荘』(こうじつさんそう)に勤める石坂修さんは、安全性と快適さを重視する。そのために最初に揃えるべき道具は、「靴」「バックパック」「雨具」だという。
「低山であっても、山は山。デコボコの道を歩きます。岩場や段差で足首をひねらないように、ミッドカット以上のくるぶしを覆う靴をおすすめします」
バックパックは「腰のベルト」が肝心
一方、バックパックは、ヒップベルトの付いたものがよいという。
「腰で荷物の重さを支えることができ、肩と腰で荷物の重さを分担できるので、肩が疲れません」
雨を防ぎ、蒸れにくい高機能素材の雨具
雨具は「ゴアテックス」など防水透湿素材の上下を揃える。
「防水透湿素材は雨を防ぎ、湿気を排出する機能があります。ゴアテックスは耐久性があり、年中使用できますが、『ミレー』の上着のように、薄さとしなやかさに力点を置いた雨具なら、夏の低山ではより快適です」
石坂さんの「低山ハイキング道具」
トレッキングポールがあれば膝への 負担を軽減できる。三段折りたたみ式のポールは、バックパックの中に収まるので、持ち運びしやすい。
汗冷えを防ぐミレーの機能性肌着と、疲労を軽減するC3fitの機能性タイツ。
低山なら頂上で料理する時間もある。アルミやチタンのクッカーと、その中に収まるバーナー、ガス缶を持参すると楽しい。石坂さんはチーズフォンデュを楽しむとか。
『好日山荘』石坂さんおすすめの低山
高尾山(たかおさん)
▲599m 東京都八王子市
明治の森高尾国定公園内の名山。植生が豊かで奥深い自然を楽しめる。ケーブルカーあり。
金時山(きんときさん)
▲1212m 神奈川県南足柄市
箱根の北西部に位置する。山頂からの展望がよく、富士山を眺めるには最適の場所。
六甲山(ろっこうさん)
▲931m 兵庫県神戸市
登山コースは大小合わせ100ルート以上もあり、岩場、渓谷、植物園など見どころも多彩。
熊山(くまやま)
▲508m 岡山県赤磐市
駅から歩ける登山口が多数。弓削(ゆげ)コース途中から見る吉井川下流域の眺望が素晴らしい。
英彦山(ひこさん)
▲1199m 福岡県田川郡/大分県中津市
霊峰としての歴史が感じられる山。石畳の参道を歩き、銅(かね)の鳥居から見る奉幣殿(ほうへいでん)は必見。
好日山荘 池袋西口店
電話:03・5958・4315
https://www.kojitusanso.jp/
※掲載の価格は『好日山荘』の販売価格(2021年5月時点の価格)です。
※この記事は『BE-PAL』.の兄弟誌『サライ』2021年6月号より転載しました。年齢・肩書き・商品の価格などは掲載当時のものです。
取材・文/大塚 真 撮影/田渕睦深