この先きっと、それぞれバラバラに歩くのかもしれない。歩くペースも違うし荷物の重さも違う、もうMtホイットニーまでは補給地もない。やっぱり自然に離れちゃうんだろうな――。
私はなんとなく、そんな風に感じていました。
ジョンミューア・トレイル(以下JMT)のルートは厳しい峠を越え、高い峠を最低でも1日に1つは越えるエリアに入っていきました。
なんとなく、私がキャンプサイトを一番先に出発し、ほどなくしてクミさんが出発。そして最後にワタナベさんがゆっくりと出発するのが、MTRを過ぎてからの私たち3人の歩き方になっていました。
ここまで一緒に歩いてくると、いつか来る別れがまったく想像できないでいたのです。
実は、JMTのルート上にはミユーア・パスという場所があり、さらにミューア・ハットという避難小屋があります。その北側にワンダ・レイク、南下にヘレン・レイクがあります。
実は、ミューアの娘の名がワンダとヘレン。そしてミューアハットに降り積もって解けた水が、直ぐ下のワンダ・レイクとヘレン・レイクに流れ込む。なんとも素敵な名前の付け方だと、勝手に解釈してそのスト-リーを妄想するのも楽しいものです。