ブータンの西部にあるプナカの街は、かつては冬の間に国の首都としての機能が置かれていた「冬の都」です。ティンプーより標高が1000メートルほど低く、冬でも過ごしやすかったことがその主な理由だとか。
プナカには、ポ・チュとモ・チュと呼ばれる2つの川の合流地点に、プナカ・ゾンがあります。ゾンとは、今から400年ほど前にブータンの国家統一を成し遂げた高僧ガワン・ナムゲル(シャブドゥン)が、ブータンの各地に建立した巨大建築のこと。城塞、行政機関、そして僧院として、ゾンは重要な役割を果たしてきました。
プナカ・ゾンを見学しようと入口にさしかかると、頭上に微妙にうごめく黒い大きな塊が。これは大きな蜂の巣で、表面に見えるのはすべて生きている蜂でした。無意味な殺生を嫌う仏教を信仰する国、ブータンならではの光景です。
プナカ・ゾンの中庭には、大きな菩提樹の木が静かに佇んでいました。このゾンはこれまでに何度か洪水などの被害を受けていますが、そのたびに昔ながらの伝統的な工法によって再建されてきました。これだけ巨大な建物が、釘などをいっさい使わない工法で建てられているというのですから驚きです。
ロベサという村をぶらぶら歩いていると、一人の男の子が近づいてきたので、写真を撮ってあげました。彼なりのキメポーズなのだと思いますが、惜しい、鼻水が(笑)。
ロベサにあるチミ・ラカンというお寺で、小坊主さんたちが勉強している様子を少し見学させてもらいました。どう見ても勉強に集中できていない様子でしたが(笑)、彼らが手元で読んでいる経典を見ると、恐ろしく難しそうで、気が散るのも無理ないのかも、と思いました。