【その先のアパラチアン・トレイルへ Vol.5】
スタート地点、カナダ・ガスペ岬へ
日本を出発てから5日。ようやく予定通りガスペ岬にほど近いホステルに着くことができました。
バスのルートもインターナショナル・アパラチアン・トレイルの沿線の町を通過したのですが、同じように、そこは、何もない、小さな集落でした。
古びた階段を登って2階にあるホステルの受付へ向かう。しかし、そこには誰もいません。宿泊客と思われる人が現れたので、声をかけると英語が分からない様子。
しばらくすると、一人の初老の男性が現れ「MASAか? ジルだよ、ようやく会えたね」
「ジル? いろいろとありがとう!」
そんな握手から、僕らの出会いは始まりました。
ちゃんと英語が通じるせいなのか、久々に出会う友人のようなそんな安心感でいっぱいです。
やっとジルに会えた。
実は、今回カナダの山岳ガイド会社、「ヤムナスカ・マウンテン・ツアーズ」さんより、補給の難しいケベック州のエリアは食事のサポートしていただくことになっていました。
2013年に歩いたコンチネンタル・ディバイド・トレイルで、カナダから入国した際にもサポートしていただいており、山形ロングトレイルの活動にも賛同いただいています。
スタッフの石塚さんは、僕と同じく加藤則芳さんの想いを実現するために、北米の地よりトレイルカルチャーを普及する活動をされています。「北米のハイカーを日本のトレイルへ」。その想いは、信越トレイルへのツアーを中心に確実に進んでいます。僕らは加藤則芳さんが結んでくださったご縁で出会った同志であり、友人であり、同世代でもある石塚さんは、僕と同じことを考えていました。
それはトレイルにおいて、バランスの良い食事をすることの重要性です。
僕も、プロに転向して5年。毎年長距離を歩いていて体の変化を感じていました。それでも、万年の資金不足で一番節約しやすい、食事をおろそかにしていたのです。
「MASAに長くトレイルを歩いてもらうために」。石塚さんがそう言ってくれ、今回は食事の面に関して一緒にかんがえてくれました。
まずは、重要となるカロリーの摂取量とプロテイン量を過去の食事から分析。それによって、トレイルで消費するカロリーの6割程度しか摂取していない事実がわかりました。
また、大まかな食事から算出するプロテイン量6割に満たないという事実! そこで、歩く上で重要となるカロリーとプロテインを中心に必要量を摂取出来る食事のご提供をいただくことになりました。
これまで、長いトレイルでは、一時的な飢餓状態に陥り、暴飲・暴食を繰り返し、栄養の偏りがあったのかもしれません。
これを機に、さらに僕は5大栄養素にスポットを当て、DHCのサプリメントを併用することにしました。トレイルで失った栄養素を、普段の毎日の食事で補うのは難しい。それは今までの生活で感じていました。背負える荷物は限られています。いかに歩いている時に効率よく摂取できるかがポイントになると考えた結果がサプリだったのです。