北欧にはすでに冬がやってきました。
まるで「アナと雪の女王」の雪と氷の世界…そんな魔法のような空間を味わうことができるのが、北欧です。
具体的にはどこを探せばいい? それは、北極圏!
北欧人の私でも、人生で一回しか経験したことがないことがあります。
それは「オーロラ」です。
オーロラの魔法の世界を楽しむ方法がたくさんあります。その中でも車、船や犬ぞりで追いかけて、写真撮影をするのが一番人気だと思います。写真を撮る時には光、天気、景色などが大事なので、何箇所かをはしごするのもおすすめです。
ただ、オーロラを追いかけてせわしなく写真を撮るのも楽しいですが、私がお勧めしたいのはもうちょっとゆったりと楽しむ方法です。
夜中のオーロラピックニック
オーロラピクニックというのは、言葉通りにオーロラの下でピクニックをすること。実は誰でも簡単にできるアクティビティーです。
まずは準備から!
オーロラはいつ現れるのかわからないので、オーロラが出た瞬間を見逃さないように予め以下のキットを滞在先に準備しておくことをお勧めします。
- 焚き火を作るための材料;薪やマッチなど
- 雪のソファや焚き火の穴を掘るためのシャベル
- お尻が寒くならないようにトナカイの毛皮
- カメラはもちろんのこと、トライポッドは必需品!(ないと写真がぶれます)
- 食べ物や飲み物がないとピクニックっぽくならないので、それも忘れずに!
車道から離れたところまで歩くことがポイントです。
そして、待ちに待ったオーロラがやっと現れたら、絶好のスポットに車で向かいます。車を止めたら、できるだけ車道から離れたところまで歩くことがポイントです。(周りに街灯や車の光があると、オーロラがはっきりと見えないからです。)
深い雪を歩きながら、いいスポットに向かってどんどん歩いていきます。ちょっと体力を使いますが、北極圏は寒いので、体を温めるためにはちょうどいいですね。
焚き火を作り、その隣に雪のソファも作ります。
到着したら、まずは、雪に穴を掘って焚き火を作り、その隣に雪のソファも作ります。
三脚を使ってオーロラを撮影!
ピクニックの準備が終わったら、次はオーロラの撮影会!(やっぱり撮りたくなりますよね)
寒いので、すぐ焚き火に火をつけたい気持ちになってしまうと思いますが、そこは我慢! 焚き火からの光が入ってしまうとせっかくの写真が台無しになってしまうので、撮影中は少しだけ我慢ですね。
私は、どちらかというと写真を撮るのが苦手な方ですが、トライポッドとお兄ちゃんから教えてもらったコツを使ったら、このような写真が撮れました!
素敵な写真が撮れたら、やっとピクニックの時間です。
焚き火に火をつけて、トナカイの温かい毛の上に座って、冷たくなってきた指や足を温めます。私は、寒い時期にピクニックをするときは、ヘラジカやイノシシのソーセージが食べたくなります。
持っていくのが簡単ですし、味が濃くて、栄養がたっぷりあります。それと、サンドイッチや、クラッカー、チーズ、チョコは、必ずピクニックに持っていきます。
そして、体を全体的に温めるためにはやっぱりホットワイン! お酒に色々なスパイスが入っているので、体がすぐ温まります。北欧ではクリスマスの季節にしか飲まないので、ちょっと特別な感じがします。
極寒の地で一口飲むと、「はあ、幸せ〜。」と思わず口に出してしまいます。
頭の上にはオーロラが踊っていて、周りは真っ黒で静か。ホットワインの暖かいカップを手に持って、焚き火の音に夢中になって、ぼーっとする。これより幸せな時間あるのかな…と思うほど、至福のときです。
それに加えて、夜中に焚き火の周りに集まると、不思議なもので、普段は話さないような内容も、腹を割って話したくなります。
自分の将来や夢など。これから自分はどうなっていきたい、など。とても大事な話なのに、普段は恥ずかしくて、こういう雰囲気にならないと、そういう話を中々しなかったりしますね。
オーロラを見れるチャンスは人生に一度あるかないかの貴重な機会!皆さんいつか冒険に出て、燃えている空の下でピクニックをして、夢について語り合う時間を体験してみてはいかがでしょうか。
それでは、次回まで「Hej då!」(バイバイ!)
ヤンニ・オルソン
北欧スウェーデン出身のトリリンガルタレント、レポーター、アウトドアコラムニスト。
いつも赤ズボンを履いて登山やハイキングに出かけることから、ついたニックネームは「赤ズボンのヤンニ」。英語・日本語・スウェーデン語を自由自在に操るトリリンガル。自然やアウトドアをこよなく愛し、日本各地を旅するレポーターとしてタレント活動をする傍ら、アウトドアや北欧の暮らしに関するコラムを執筆する。
日本の温泉が大好きで、現在は温泉ソムリエの資格取得のため勉強中。
◎構成/ヤンニ・オルソン