軽キャンピングカーで、地球半周中です。
稚内からロシアへ渡り、モンゴルで道草してから中央アジアへ。イラン、ヨーロッパと抜けてアフリカに上陸しました。
南アフリカの喜望峰を目指していますが、西アフリカには課題が多すぎて、苦戦しています。マラリアやシャレにならない雨期、複雑怪奇なVISA取り、賄賂警察官にイスラム過激派。車中泊ができず、南下するほどストレスがたまります。
どっちかくれない?
田舎の国境から、ブルキナファソへ。利用する人の少ない、廃墟のようなイミグレです。暇そうな係官が、
「車か奥さん、どっちかくれない?」
大胆な賄賂を要求されましたが、車だけは譲れません!
VISAがなくて、出られない
雨に追われてブルキナファソに逃げたものの、やはり雨。朝早くスコールで起こされ、昼寝したら豪雨に邪魔され、夜中は雷雨で眠れません。アウトドアなんて呑気なことを言っていると、洪水で流されそうです。1日も早く南アフリカにたどり着きたいのですが、そうは問屋が卸さない西アフリカ。複雑で面倒臭いVISA取りに失敗し、実は今、この旅で最大のピンチを迎えています。次の国、ガーナに入国するためのVISAがないのです。
このままでは不法滞在
これまでガーナのVISA申請は、セネガルとマリの大使館で挑戦し2戦2敗。もし今回、首都ワガドゥグでVISAを取得できなければ、
ブルキナファソから出られない。
↓
不法滞在
↓
大陸横断軽キャンパー旅、終了〜
という運命です。飛行機に、軽自動車って乗りますかね?
お世辞と情熱で押しまくれ
アフリカは意外にドレスコードが厳しいので、洗いたての勝負Tシャツを着て、大使館を訪問します。
「子どものころから、ガーナが好きです」
「ガーナのチョコレートは、世界一美味い!」
「野口英世がお世話になりました」
お世辞と情熱で押しまくる作戦でしたが、聞き耳持たずの担当官。灼熱のアフリカだというのに妙に冷たい人でして、秒速で追い出されました。
まじかよ!
呆然と立ち尽くしていると
まさかの3連敗。
ガードの固いガーナに打つ手なし。
飛行機に乗れるならVISAのない国に逃げられますが、軽自動車を見捨てるわけにはいきません。大使館の前で呆然と立ち尽くしていると、高級スーツに金ピカの腕時計をした紳士が…………。
続きは、来週!
〈オマケ〉海外アウトドアのTips 知らないと繋がらない海外のSIMフリー
信用できない、キャンプ場の「FREE Wi-Fi」
欧米以外では、宿やキャンプ場の「FREE Wi-Fi」は信用できません。ルーターの故障、料金の未払い、パスワードを忘れた……、アンビリーバブルな理由で使えないことが多々。有料Wi-Fiでも、亀のように遅くてメールすら読めなかったりします。顧客満足度なんて1ミリも考えてくれませんから、どれだけ文句を垂れても、繋がらないものはつながりません。
国ごとにSIMカードを購入
我が家は働きながら海外をさまよう勤労キャンパーなので、インターネットは命綱です。ネットできませんでした!とは、死んでもクライアントに言えないので、
・SIMフリー iPhone
・SIMフリー アンドロイド
・SIMフリー モバイルWi-Fiルーター
3台の通信デバイスを携帯し、国ごとにSIMカードを購入しています。
カードと通信代は、国によって違います。
・SIMカード:無料〜300円くらい
・チャージ(Top up):100円〜1,000円くらい(データ量と期間によります)
・ウガンダでは別途SNS税:ひと月180円(未払いだとFacebookとかできません)
SIMを挿しても、繋がる確率は半々
国によっては、外国人だけ本店のみの販売だったり、パスポートが必要だったり、顔写真を撮られたり、指紋を採取されます。
購入は簡単ですが、SIMカードを挿しても繋がる確率は半々です。原因はAPNです。
設定は簡単で、店員のスマホを借りてAPNをそっくり真似て入力するだけ。これでインターネットにつながります。
もし、それでもダメなら、ネットワークモードを「自動」にしてください。旅をしながら覚えた技なので理屈はわからないのですが、ぜひ、お試しください。
後編「 そのVISA代は、賄賂、偽造、詐欺? 」につづきます。果たして、大陸横断軽キャンパーの旅が続くのか!?
石澤義裕・祐子
住みやすい国をリサーチしようという話から2005年から世界一周をスタート。アメリカ、カナダなどをスクーターで旅行し、オーストラリアをキャンピングカーで回ったのをきっかけに2015年の夏から軽キャンピングカーで旅を始めた。