9月10月と一雨ごとにだいぶ涼しくなってきました。ソーラークッカーを実験した8月の酷暑が嘘のようです。さて、気温が下がる10月から4月は、我が家は燻製シーズンに突入します。ビーパル様、燻製のお題ありがとうございます!
我が家の燻製のメインは「ベーコン」と至ってシンプルで何の変哲もないのですが、月に何度も作れるものではありませんので、一度に効率よくいくつもの燻製食材を作る事にこだわってます。
最大の特徴はインドア(キッチン)でやる事です! IHコンロの電熱器を熱源に、換気扇MAXでやってます。そして常に深夜の燻製。部屋が煙臭くなるのでは?とお思いでしょうが、全く問題ありません。
*とは言え換気扇回さないと確実に部屋に煙が充満しますので、ご注意ください。
その他メリットとしては、
・カセットコンロや炭火などの熱源を準備する手間が省ける
・外気温から影響受けない。経済的です。
・食材を外に持ち出す必要がなく、作業性及び衛生面にも優れている。
・撤収が早い!
でしょうか。
私の月に一度のルーティーンですが、皆さんの燻製作りの参考になれば幸いです。
スモーカー。20年前に購入した、ロゴスのステンレス製ドラムスモーカーです(現在 生産終了)。我が家は殆どキッチンで燻製しますが、このスモーカーの大きさといい、構造といい、キッチン燻製にベストマッチなのです。コンパクトで簡易的なスモーカーですが、ベーコン等の大物から、干物等の小物までマルチにこなします。
元々温度計はついてませんでしたが、後付けでSOTOの温度計を取り付けました。温燻、熱燻と使い分ける事が出来るため、重宝してます。
チップとウッドをそれぞれ数種類ずつ常備してますが、最近は殆どウッドを使った温燻が主です。SOTOのウッドは3ピースに別れており、1ピース約90分の燻煙が表示されてます。しかし、私のスモーカーでは3倍以上の約5時間は燻煙が出ます。恐らくスモーカーの気密性が高く空気の供給が少ない為と推測してます。
もくもくと旺盛に燻煙が出るわけではありませんが、長く燻す事が出来る利点を活かし、ベーコンを基準に色々な食材を取り替えながら燻製する事に長けています。食材に応じてどの燻材が良いかのこだわりは特に無く、その日の気分で選定してます。サクラやリンゴが子供達には受けが良いようです。
写真はベーコンの前処理。ベーコンの製造工程は以下の流れです。購入して9日間で全工程が完了します。
土曜日…肉購入→塩漬け冷蔵→手もみ反転→翌週金曜日まで繰り返し
金曜日…夜から土曜日朝にかけて塩抜き
土曜日…朝から冷蔵乾燥→深夜から燻製
日曜日…朝方まで燻製
合計9日間の工程です。
写真では左から右に各工程の流れを並べてます。
塩漬けレシピ
塩(肉の重量の3%)、砂糖(塩の20%)、ブラックペッパー(適当)、ハーブ類(ローリエ、ローズマリーを適当に)
塩抜き
ボウルに水をはって肉を浸します。3%程度の塩なので一夜位つければOKです。
乾燥
肉の水をよく切って、ガーゼで巻いた後に新聞紙でくるみます。
冷蔵庫で半日程度保管しましょう。途中接地面を変えると乾燥が促されます。
新聞紙+冷蔵乾燥後の肉の状態です。表面がしっとりしてる状態です。冬場の乾燥した時季であれば一昼夜外で風乾してもいいですね。スモーカーの寸法に合わせて切り、S字フックを刺します。最上段はハム仕様です。(別途説明)
燻製前の全食材。ベーコン以外の食材は下処理の要らないものを購入します。今回は、カマボコ、煮卵(自家製)、チーズ、干物(サキイカ、貝ヒモ、コアジ)、ミックスナッツを準備しました。他にドライフルーツや漬物、醤油、オリーブオイルも良いですよ。
ウッドの着火とスモーカーへの設置。SOTOのトーチが活躍します。片面全体がしっかり燃えるまで着火します。ステンレスのトレイ等に置いて、スモーカー底にセットします。ステンレスの串を使ってウッドとトレイの間に隙間をあける事で、火が途中で消えるのを防ぎます。
ベーコン&ハムのセット。肉をS字フックでバランスよく網に吊るし、スモーカーの中程にセットします。肉同士が接触しないように。
カマボコ&煮卵のセット。ベーコンが吊るされた網の上に煮卵とカマボコを。私は板付きのまま置きます。
乾物のセット。煮卵とカマボコの上に更に焼き網(100均)をセットし、短時間(1時間程度)燻製する干物類をセットします。
ただいま燻製中。蓋はウッドの酸欠による消火を防ぐ為に少し開けてます。出て来た燻煙はそのまま換気扇へ直行。真冬は部屋の暖気まで逃げますので相当寒くなります。なので燻製作る時は上着を着込んで夜更かしです!
また、スモーカーの温度ですが、私はベーコンを燻製する際は、IHの電熱ヒーターを調整し、温度を60~70℃に調整します。これより低いと色づきが悪く、高いと豚バラの油がスモーカー内に落ちて後片付けが大変です。このため、ベーコン作りには決まってウッドを使います。チップの場合は最低100℃位になります(スモーカーにもよります)。
ナッツ燻製中。干物が終わったらナッツと入れ換えます。レーズンやドライフルーツも良いですよ。
チーズ燻製中。煮卵、カマボコの燻製が終わったら、次はチーズの番です。我が家ではいつもベビーチーズを使ってます。ステンレスのざるやプラスチック製のざるを使います。引っ付き防止に油を塗るのがポイントです。温度を上げすぎると溶けて変形しますので、温度管理は注意が必要です。
ハムの工程(補足)。ハムはベーコンより更にひと手間かかります。乾燥後はさらしなどでぐるぐる巻きに整形し、たこ糸で縛ります。この整形にはかなり力を使います。綺麗な円形にするには、ロース塊肉も形の整っているのを選びましょう。
ベーコンと同じく燻製した後、70~75℃で1時間ボイルして下さい。我が家は炊飯ジャーの保温機能を使ってます。温度計でモニタリングするのが間違いありません。自家製ロースハムの断面を見ると感動しますよ!お歳暮で貰えなくても自分で作れば良いのです!
ベーコンの断面。燻煙5時間後のベーコン断面です。薄いピンク色の断面が好きなので私は温燻派です。炒め物やスープの主役から調味料としての脇役もこなします。ベーコン作りを経験した人は恐らく同じ事を感じると思いますが、自分が作ったベーコンが一番旨いと思うでしょう!もう、市販品は買わないと!
燻製完了後のつまみ食い。朝方まで続いた燻製作りも終わり、少しだけつまみ食いするのが至福の喜びなんです。大抵の場合、朽ち果てて、リビングに大の字になって爆睡してます。これが私の燻製シーズンの月例燻製夜更かしです!
これから深まり行く秋にあわせて、皆さんも燻製夜長を味わってみてはいかがでしょうか?