ハタケシメジ/キャンプ場にもよく生える特級美味菌はお雑煮でどうぞ
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  • キノコ・山菜

    2019.12.30

    ハタケシメジ/キャンプ場にもよく生える特級美味菌はお雑煮でどうぞ

    私が書きました!
    BE-PAL副編集長
    吉尾拓郎
    長野県の山間部育ちで、小さい頃から秋のレジャーは家族総出のキノコ狩りと決まっていた。たまの休みは、関東近郊の里山を巡っています。

    採って楽しい 食べて美味しい 野生の食菌、探してみよう!

    自然の恵みであるキノコ。当然ながらその発生量は、年によって多寡があります。

    それにしても2019年は大不作でした。不作の理由ははっきりとは分かりませんが、山を歩いていて、落ち葉や土が、例年より乾いているように感じます。夏の熱気が秋になってもなかなか引かず、関東では10月に入ってもTシャツ1枚でオッケーのような日が何日もあったのです。

    ある山にキノコ採りに行ったときに、あまりの貧果に、仕方なくお店で買って帰ろうと、麓のキノコ販売店を訪れると、売り物はほとんどなくて、店の主人が「ここに店を出してから、まちがいなく一番採れない。数十年に一度の大不作だよ」と話します。

    しかし、こんなにひどい年でも、例年に近い状態で発生してくれたキノコもあります。

    10月のはじめの「BE-PALフォレストキャンプ」。開催場所は、八ヶ岳というので、仕事だということを忘れるくらい楽しみにしていました。

    開催は昼過ぎからだったのですが、早朝入りして、会場である「PICA八ヶ岳」のまわりの林を探索してみましたが、空振り。なんともいい林なのに・・・。

    翌朝も早くに起き出し、ぐるりと周辺の林を回ってみたけれど、やっぱりダメ。これから仕事なのに、すでに足はクタクタです。PICA八ヶ岳のイベント会場に帰ってきて、本部ブース近辺の芝生にへたりこみ、ふと足元に目をやると、ねずみ色の傘を持つキノコが一株生えていました。軸を触ってみると、スカスカしておらず、充実した手触りですので、毒菌のクサウラベニタケの可能性は低そうです。クサウラベニタケの場合、軸がスカスカしていることが多いのと、独特の嫌なにおいがあります。香りをかぎ、傘をひっくり返して眺めてみて、ハタケシメジと確信しました。疲労困憊していなければ、ひゃっほう、と叫んで跳ねているところですが、どうも疲れに加えて二日酔いもひどかったらしい。座ったままだらしない笑みを浮かべて、スマホで写真を撮りました。

    これは幼菌の姿。一瞬ホンシメジ(ダイコクシメジ/超絶レア菌)かと思って息をのみました

    このキノコ、畑のヘリとか、道路の脇とか、駐車場の端とか、不思議なところに生えることが多い。キャンプ場でも本当によく見かけます。というのもハタケシメジは、土中の枯れた植物を利用して生育する腐生菌のひとつ。だから発生場所は神出鬼没なのです。

    人里に生え、比較的発生量も多いわりには、食味はほぼ最高ランク。風味に癖はなく、汁物にすると、濃厚でじつに旨い出汁が出るのです。味が濃いので、豚肉と炒めるなどしても美味しいのですが、ここは出汁の旨さを素直に味わうために、お雑煮に仕立ててみましょう。

    出汁はカツオベース。好みで昆布との合わせ出汁にしてもいいけど、キノコの味が強いので、昆布は不要かも。

    ハタケシメジの雑煮

    材料

    ハタケシメジ・・・3本ほど

    鰹出汁・・・200ml

    鶏もも肉・・・15g

    切り餅・・・1

    醤油・・・大さじ1

    みりん・・・小さじ1

    塩・・・少々

    三つ葉・・・少々

     

    作り方

     鶏肉は食べやすい大きさに切り、熱湯で軽く湯煎をしておく。餅は二つに割って、軽くふくれるまで焼いておく。

     手鍋に鰹出汁を入れ火にかけ、鶏肉とハタケシメジを入れる、醤油、みりんを加え、沸騰直前で味を見て、塩をごく少量加えて火を止める。

     椀に餅を入れ、上から汁を注ぐ。最後に三つ葉を飾る。

     

     

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